マカオ、40日ぶり新型コロナ新規感染確認…患者は26歳韓国人女性、欧州からマカオ入り

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは3月16日未明、新たに1人の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染例を確認したと発表。マカオ域内における新規感染確認は2月4日以来で、およそ40日ぶりのこととなる。

 同センターの発表によれば、患者はマカオで就労する韓国人女性(26)で、1月30日から交際相手のポルトガル人男性とともに、親族訪問のためマカオからポルトガルのポルト市へ渡航。2人は3月13日にポルトからドバイ経由のエミレーツ航空を利用して香港に到着(EK380便、座席番号31J)、港珠澳大橋を利用して14日午前0時30分頃にマカオ入りしたとのこと。患者はマカオ入り当日から軽い咳の症状があり、15日午後に発熱の自覚症状があったため、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)を受診。新型コロナウイルス核酸検査(NAT=Nucleic Acid Test)を実施したところ、陽性反応が確認されたことから、即座に同院内にある隔離病室に移されたという。目下、患者の容体は安定しているとのこと。交際相手の男性は密接接触者として隔離施設で医学観察を受けており、政府衛生局が他の接触者の確認を進めているとした。なお、患者のマカオの住居はコロアン島にあるマンション、ワンオアシスのタワー5(金峰南岸第5座)で、市政署が消毒作業を実施したという。

 現在、マカオでは韓国、イタリア、イラン、ドイツ、フランス、スペイン、日本のいずれかに14日以内に滞在歴がある全入境者に対し、マカオ政府が指定する隔離場所で14日間の医学観察(マカオ政府または衛生局によるその他防疫措置を講じる可能性も含む)を義務付ける措置が講じられている。マカオ居民(「マカオ居民IDカード」保有者)は政府が定めた条件を満たす場合に限って自宅での医学観察も認められるが、その他(旅客及び就労ビザ保有者など)についてはマカオ政府が指定するホテルとなり、滞在費用は自己負担となる。

 近日、マカオ政府は、海外、中でも感染が急拡大している欧州からの輸入例に対する警戒を強めており、17日から医学観察の対象国を欧州(オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スウェーデン、スイス、英国、ロシア)、米州(米国、カナダ、ブラジル)、アフリカ(エジプト)、オセアニア(オーストラリア)に拡大し、合計36ヶ国とすることを発表したばかりだった。

3月15日夜に開催されたマカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

 このほか、14日以内に中国本土の「広東省、河南省、浙江省、湖南省、安徽省、江西省、江蘇省、重慶市、山東省、四川省、黒龍江省、北京市、上海市」のいずれかに滞在した旅客が医学検査ステーションにおける医学検査の対象。イミグレーション施設から市内に設けられた医学検査ステーションに移送され、医学検査を経て入境可否が判断されることになっている。検査にかかる時間は約6~8時間で、検査忌避はできない。武漢市含む湖北省については、1月27日から合法医療機関が発行した医師による新型コロナウイルス未感染証明書の提出が必須化されている。

 これまでのマカオ域内における累計患者数は11人となり、内訳は武漢からの旅客が7人、マカオ人が3人、韓国人が1人。新たに感染確認された韓国人以外については、3月6日までに全員が治癒し退院済みで、重症化、死亡、院内感染例はいずれもなかった。

 マカオ政府は1月後半以降、一連の春節祝賀イベントやMICEイベントの中止、世界遺産含む文化施設の一時休館(3月16日から順次再開)、カジノ及びレジャー・娯楽施設の一時休業(カジノは2月5日から19日まで、レジャー・娯楽施設は同日から3月1日まで)といった観光都市としての魅力をあえて消すと同時に、中国本土及び他の高発生地区との往来を物理的に制限すること、マカオ住民に対しても全学校の休校(4月13日から5月4日にかけて順次再開見通し)や政府窓口の一時休止(3月2日から段階的に解除)を含む不要不急の外出を控えさせる策などを講じることで、大きな流行を食い止めてきた。

マカオ市政署が3月16日未明に実施した患者の住居及び周辺における消毒作業の様子(写真:IAM)

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