マカオで今年2人目の在郷軍人病感染者確認…患者は中国本土渡航歴ある63歳男性

マカオ政府衛生局は8月7日、マカオで在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染者を確認したと発表した。

SSMが発出したプレスリリースによれば、患者はマカオ人の63歳の男性で、慢性疾患があるとのこと。7月30日に発熱、咳、咽頭痛などの症状が現れたため、広東省広州市の医療機関を受診。その後、再び症状が出たため、8月2日にマカオへ戻り、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院の救急外来を受診し、肺炎のため入院治療が必要と診断された。6日には尿検査で在郷軍人病に感染していることが判明。現在、患者は同院に入院中で、容体は安定しているという。

患者はSSMの調査に対し、7月23日から8月2日にかけて中国河南省南陽市、広東省広州市へ旅行し、現地のホテルに宿泊していたと回答。SSMではマカオではなく旅行先で感染したものとの見方を示している。なお、旅行に同行した患者の妻には類似の症状は見られなかったとのこと。SSMによれば、マカオで確認された在郷軍人病の感染者は今年に入って2人目で、1人目の患者は今年1月に確認された63歳のマカオ人男性で、タイとミャンマーに渡航歴があったという。

在郷軍人病はレジオネラ菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられている。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ菌は多様な環境下に存在するが、20〜45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合醫院(資料)—本紙撮影

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