マカオ、公共路線バス運転士が高齢化…5年以内に2割が定年迎える=免許制度改革で対応

現在、マカオには大量輸送を可能にする軌道系交通機関が存在せず、市民や観光客にとって重要な移動手段となるのが路線バスだ。マカオにおける路線バス利用者数は近年右肩上がりに上昇を続け、年間利用客数は延べ2億人超に達している。マカオの人口はおよそ66万人、訪マカオ旅客数は年間約3580万人であることから、路線バス依存度の高さが伺える。

マカオ政府交通事務局の林衍新局長は1月29日の記者会見において、マカオの公共路線バス運転士のおよそ2割が今後5年以内に定年(=満65歳)を迎えるとコメント。同日から、道路交通法改正案のパブリックコメント(意見公募手続き)が実施されているが、公共路線バスの運転に必要となる「D1」クラスと呼ばれる運転免許について、現行は65歳が取得上限年齢となっているが、これを条件付きで引き上げる内容が盛り込まれた。

林局長によれば、現在、マカオの公共路線バス運転手は約1380人に対し、バスの数は約900台となっており、近隣地区と比較して運転士1人あたりの負担が大きいとのこと。D1免許の年齢上限を拡大する条件として、年に一度の医師による健康診断証明提出を義務付け、2年ごとの更新とすることを提案したとした。今後、バス会社の運転士募集推進による人手の確保のほか、免許取得過程を見直し、運転士志望者がより早く免許を取得できるようにしたい考えを示した。

マカオ半島北部にある關閘バスターミナルのイメージ(写真:DSAT)

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