マカオIR運営メルコリゾーツ、新型コロナワクチン接種完了の従業員に現金支給=マカオ同業で初の取り組み

 マカオなどでIR(統合型リゾート)を運営するメルコリゾーツ&エンターテインメント社(以下、メルコリゾーツ)は5月21日、従業員の新型コロナワクチンの接種を促すためのインセンティブプログラムを打ち出した。

 プログラムの内容については、ワクチン接種当日または翌日に有給休暇を付与し、新型コロナワクチンの接種を完了した場合に1人あたり1000マカオパタカ(日本円換算:約1万3600円)を支給するほか、香港・マカオ拠点の従業員の接種率が一定の割合に達した後、6人に対して1人あたり100万マカオパタカ(約1360万円)の賞金が当たる抽選も実施するというもの。

 同社によれば、同プログラムの実施にかかる予算として1600万マカオパタカ(約2億1730万円)を見込んでいるとのこと。昨今、主に海外で官民によるワクチン接種を促進するインセンティブプログラムの導入例が見受けられるが、マカオ政府とカジノ運営コンセッション(経営権契約)を結ぶ6陣営では初の取り組みとなる。

 同社はプログラム実施の理由について、地域コミュニティにおいて免疫の壁を築くことを目標に掲げてワクチン接種を推進するマカオ政府を全面的に支援することを挙げ、ワクチン接種説明会の開催など、政府衛生局及び新型コロナウイルス感染症対策センターと協力を進めているとした。

 5月21日までのマカオにおける新型コロナの感染確認数は累計50人。内訳は域外からの輸入性が48人、輸入関連性事案が2人。市中感染例は418日連続ゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況。院内感染、死亡例についてもゼロ。マカオの人口は約68.25万人で、ここまでの接種率は1割程度にとどまっているが、マカオでは新型コロナ流行の封じ込めに成功している状況で、切迫性がないためとみられる。ただし、政府はシンガポールや台湾といった封じ込め成功から再流行に転じた例もあり、ワクチン接種の推進及び徹底した防疫対策の維持を呼びかけている。

メルコリゾーツ&エンターテインメント社の旗艦IR施設「シティ・オブ・ドリームス マカオ」(資料)

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