中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は11省区で68人…20日連続出現=11/4

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 最近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、9月上旬には福建省の一部でデルタ株の市中における伝播が出現、同月下旬には黒竜江省ハルビン市でもデルタ株の市中感染確認例が出現した。さらに、10月中旬以降は内陸部のシルクロード観光エリア一帯を訪れた国内団体旅行客の移動をきっかけとした伝播、黒竜江省黒河市を中心に新たな市中感染の広がりが出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月5日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月4日の中国本土における新規市中感染確認は68人(前日から19人減)だったとのこと。内訳は、黒竜江省28人(黒河市)、河北省10人(石家庄市9人、辛集市1人)、遼寧省8人(大連市)、河南省5人(鄭州市)、甘肅省5人(蘭州市4人、天水市1人)、寧夏回族自治区4人(銀川市)、内モンゴル自治区2人(アルシャー盟)、江西省2人(上饒市)、四川省2人(成都市)、貴州省1人(遵義市)、雲南省1人(徳宏タイ族チンポー族自治州)。このうち河南省の4人は無症状感染から感染確認に転じたもの。中国本土で市中感染確認例が出現するのは20日連続。市中の無症状感染例については3日連続で出現し、河南省9人(鄭州市)、遼寧省8人(大連市)、江西省3人(上饒市)、重慶市2人(沙坪ハ区、渝北区)の計22人(前日から6人増)という。

 11月4日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1129人(うち輸入性が373人)で、重症者は37人(輸入性2人)。無症状の患者426人(輸入性348人)が医学観察下にあるという。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。今年5月下旬に広東省で発生した大規模再流行、7月下旬に南京空港で発生したクラスターに端を発し10を超える省市とマカオへ波及した再流行、9月上旬に福建省のホ田市からアモイ市など省内の大都市に波及した約470人規模の再流行、9月下旬に黒竜江省ハルビン市を中心に出現した約90人規模の再流行についてもデルタ株によるものだが、それぞれ約1ヶ月で封じ込めに成功した実績がある。9月の福建省と黒竜江省のケースは、いずれも一部地域にとどまり、省外への拡散は確認されていない。

 しかしながら、10月中旬以降、中国本土の多くの地域で市中感染例が散発している状況。内モンゴル自治区及び甘肅省を中心としたシルクロード観光地関連では、感染者の多くが観光のためエリアを跨いで移動していたこと、感染力の強いデルタ株であることから、省区を越えて波及した。黒竜江省では、10月27日に黒河市で最初の感染確認例が出現。以降、感染確認例が相次いでいるが、疫学調査及びウイルスゲノム解析から、シルクロード観光地を発端との関連性はないとのこと。10月中旬以降の再流行はおよそ20の省市区へ波及、累計感染者数は約650人超に達しており、上述の南京空港クラスターに端を発した再流行を上回り、年初来最大規模となっている。目下の再流行について、1ヶ月以内に沈静化すると見通しが示されており、感染確認例が出現した地域では特に厳格な対応を講じ、全国レベルでも各種防疫措置の引き締めが進んでいる状況。

 このほか、マカオ特別行政区では11月4日まで26日連続市中感染確認例ゼロ、香港特別行政区でも同27日連続ゼロを維持した。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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