マカオで市中感染例が増加に転じる…濃厚接触者収容の隔離検疫ホテルで発生した交差感染が一要因

 人口約68万人のマカオでは、約8ヶ月にわたって新型コロナの市中感染確認例ゼロを維持していたが、6月18日深夜以降、ここまで約1ヶ月にわたって陽性者の出現が続いている。(以下、「6・18アウトブレイク」と表記)

 6・18アウトブレイクは、感染力が非常に強いオミクロン変異株派生型の「BA.5.1」が市中へ流入(感染源不明)し、伝播が拡大したものとされ、1平方キロメートルあたりの人口密度が2万人超と極めて高いマカオにとって、大きな脅威となっている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは7月15日午後5時から定例会見を開き、6・18アウトブレイクに関する最新情報を発表した。

 15日午前0時までの直近24時間にPCR検査を経て陽性が確定した人の数(市中感染事例に限る)は31人で、前日から2人増。7月9日のピーク(149人)以降、減少傾向が続くが、直近3日間は30人前後で横ばいに。

 31人のうち隔離対象(局地ロックダウン対象ゾーン内及び隔離検疫ホテル)から発見に至ったのが20人、一般市中からが11人(濃厚接触者2人、全市民PCR検査及び重点検査対象7人、その他2人)とのこと。7日連続で隔離対象から発見に至ったケースが過半数を占めたが、一般市中からの陽性者数は増加に転じた。会見で増加要因についても解説があり、後述する。

 6月18日以降の累計陽性者は1675人。内訳は女性883人、男性が792人、年齢3ヶ月〜100歳、症状あり(感染確認)が陽性者全体の37.3%にあたる625人、無症状が同62.7%の1050人。

 15日午後3時までに疫学調査の対象(隔離)とされた人の数は2万0622人に上った。内訳は陽性者1675人のほか、濃厚接触者が3035人、非核心濃厚接触者(陽性者と居合わせた)が1万1267人、二次濃厚接触者が1174人、一般接触者が255人、付き添い人が774人。

 マカオでは6月19日以降、全市民を対象とした義務的なPCR検査及び迅速抗原検査、さらには一部重点区域、重点人群に対象を絞った追加のPCR検査によるスクリーニングが高頻度で実施されている。7月10日から17日までの8日間にわたって4回(6月19日以降で7、8、9、10回目)の全市民PCR検査が実施されており、期間中は毎日の迅速抗原検査のセルフ実施も求められる。現在、9回目の検査が実施(14日午前9時から15日午後6時)されており、15日午後3時までに59万8459人が検査を受け、うち45万0714人分について結果が陰性と判明し、陽性反応が検出された混合検体(10人分で1本)は8本とのこと。前週初頭の4回目以降、回を重ねるごとに混合検体の陽性反応検出数は減少傾向にある。具体的には第4回が94本、第5回が41本、第6回が23本、第7回が17本、第8回が13本。

 目下、陽性者が出現した場所(ビル及び店舗単位)に対する局地ロックダウンや各種人流抑制策などが講じられているが、追加の特別措置を講じる行政長官令が発出され、7月11日午前0時から7日間にわたり”社会相対静止”状態に入った。

 期間中、社会運営及び市民の生活維持に必要とされる(インフラ、燃料、食料、薬局など)以外の企業・事業場所の運営は停止が求められる。カジノも閉鎖に。

 また、ステイホームを基本とし、外出は全市民PCR検査受験や業務上必要な場合、生活物資の購入、緊急要件に限るとされ、成人はKN95規格以上のマスクを着用することが求められる。

 セミロックダウンともいえる厳しい内容だが、政府は高頻度の全市民対象検査に加えて特別措置を講じることで、ゼロコロナ達成時期を早めたい意向を示している。

 なお、特別措置の各種規定への違反行為は刑事罰の対象とされる。15日午後3時までの累計検挙者数は25人で、前日の同じ時間から変化なし。

 社会相対静止状態にあり、高頻度の全市民対象検査が続く中、15日午前発表の最新データでは市中感染例が増加に転じたが、会見で補足説明があった。前日の会見で濃厚接触者を収容する隔離検疫ホテルのひとつ、コタイ地区にある「ザ・パリジャン・マカオ」内で交差感染が発生した(スタッフ複数人)ことが発表され、これを受けて検疫期間満了で市中へ戻ったうちの144人が再び隔離対象となったが、15日の会見時点で、このうち13人の陽性が明らかになったという。迅速抗原検査のほか、全市民対象PCR検査で発見に至ったとし、市中感染例の増につながった要因のひとつとした。16日午前発表予定の最新データについても市中感染例増えるとした。交差感染発生原因については調査中とのこと。

 このほか、社会相対静止状態の継続の有無を含め、次週の防疫措置については今週4回連続実施中の全市民PCR検査の結果などをもとに検討を進めており、16日夕方の会見で発表するとの見通しも示された。

マカオ政府衛生局公衆衛生研究所は高頻度の全市民PCR検査によるスクリーニングを24時間稼働で支えている(写真:GCS)

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