在香港日本国総領事館が「福島第一原発港湾内でセシウム濃度の高い魚が見つかった」とする現地報道への説明文をHP掲載

 近日、香港やマカオでは、東京電力福島第一原発におけるALPS処理水海洋放出設備の試運転開始の報を受けて、日本産食品の安全性に対する関心が高まっている。

 現地メディアはこれに関連するトピックを連日報じているが、中でも、福島第一原発港湾内でセシウム濃度が高い魚(クロソイ)が見つかったとするニュースによって消費者や事業者に不安が広がっている様子がうかがえる。現地日系の間からは、香港の消費者や事業者に誤解を与える報道内容で、正確な情報発信が必要との声が上がっていた。

 在香港日本国総領事館は6月16日、日本の経済産業省と農林水産省が連名で発出した当該報道に対する説明文(文書タイトル「福島第一原子力発電所港湾内で見つかったセシウム濃度の高い魚について」)を同館ホームページに中国語(繁体字)及び日本語で掲載した。

 文書によれば、「6月5日に福島第一原発の港湾内で駆除された魚(クロソイ)を分析したところ18,000Bq/kgのセシウムが検出されたとの報道があったが、採取されたのは福島第一原発の港湾で発電所にもっとも近い開渠部分で(採取日は5月18日)、港湾内では漁業は行われておらず、市場にも出荷されないため、日本産食品の安全性に影響を及ぼすことはない」とのこと。また、「福島第一原発の港湾内でこのような魚が確認されるのは事故当時の影響によるものであり、現在準備が進められているALPS処理水の海洋放出とは無関係」などとした。

「福島第一原子力発電所港湾内で見つかったセシウム濃度の高い魚について」と題した文書内に掲載された位置関連資料。左:漁業権非設定区域と発電所港湾/右:発電所港湾開渠

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