マカオ税関、5日間で運び屋による密輸事案4件摘発…食材や中古バッテリーなど

 澳門海關(マカオ税関)は10月20日、各種密輸行為に対する取り締まりを強化するとともに、ITを補助法執行手段として活用するなど厳格な体制で臨んだ結果、同月15日から19日までの5日間で運び屋による密輸事案(密輸入及び密輸出)を計4件摘発したと発表。

 発見に至った密輸品の内訳は高級食材294キログラム、中古のパソコン用バッテリー450点、冷凍牛肉185キログラム、海産物165キログラム、中古スマートフォン113台とのこと。

 このうち3件が横琴イミグレーション施設の自動車出境レーン(中国本土方面)での摘発事案で、リスク管理システムによる警戒アラートにより調査対象とした越境自家用車に対する大型X線貨物・車両検査システム及び上部照射型小型車両検査システムで車内に密輸品を隠していることが明らかになったもの。残る1件は港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設の入境口にある税関検査場通過時の動作が不自然だった人物を呼び止め、ミリ波人体安全検査システム及びX線検査システムを活用した詳細検査で密輸品の中古スマートフォンをラップで身体に巻きつけていたことが発覚したという。

密輸に使われた自家用車内に隠されていた冷凍肉(写真:澳門海關)

 4件の密輸事案に関与した35〜63歳の4人(マカオ人3人、香港人1人)は輸出入に必要な書類を提示できず、税関の調べに対して報酬を得て運び屋行為に従事したことを認め、全員を対外貿易法違反=最大10万パタカ(約185万円)の罰金=で起訴済みとした。

 年初のウィズコロナ転換による水際措置の緩和を受けて、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、密輸品の種別では中古スマートフォン、中古バッテリー、食材、コスメ・スキンケア用品などが目立つ。

 税関では、中古バッテリーは保管状態により自然発火を起こし火災につながる可能性もあり、これを密輸することはイミグレーション施設の安全上のリスクにもなるとした上、今後も継続して水際における警戒を強化して臨む方針を示し、市民に対して物品の出入りに関する法令の遵守、また運び屋行為に関与して報酬を得ることなどないよう類似の呼びかけを行った。

身体にラップで巻き付けて中古スマートフォンの密輸を図った事例(写真:澳門海關)

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