マカオ税関が運び屋への密輸品供給拠点摘発…高級食材「燕の巣」約274万円分押収

 澳門海關(マカオ税関)は12月6日、前(5)日にマカオ半島北部・關閘エリアにある商業ビル内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点1ヶ所を摘発したと発表。

 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーションに近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。

運び屋向け密輸品供給拠点のテナントで発見された密輸品の高級食材「燕の巣」=2023年12月5日(写真:澳門海關)

 税関によれば、事前に当該商業ビル内のテナントが運び屋への商品供給拠点となっている可能性ががあるとの通報があり、内偵調査を進めていたとのこと。5日午後、運び屋とみられる女2人が調査対象のテナントを出た後に追跡したところ、そのまま徒歩で關閘イミグレーションビルに入ってマカオ側から中国本土側へ向けて出境したため、出境フロアにある税関検査場で呼び止めて手荷物検査を実施した結果、各人の所持品の中からまとまった量の高級食材(乾物)「燕の巣」が見つかるに至った。2人は税関の調べに対し、上述のテナントで商品をピックアップし、運搬料名目の報酬を得る目的で商品を携行して出境したことを認めたという。

 これを受け、税関がすぐに調査対象のテナントに対する摘発に着手。現場にいた責任者の男1人の身柄を拘束するとともに、店内で輸出入に必要な書類のない燕の巣26キログラム、市価にして約15万パタカ(日本円換算:約274万円)相当が発見されたとのこと。

摘発の対象となった運び屋向け密輸品供給拠点のテナント=2023年12月5日(写真:澳門海關)

 本件に絡む密輸品供給拠点の責任者の男1人と運び屋の女2人はいずれもマカオ人で、年齢は33〜63歳。税関では、現場の責任者の男が運び屋を組織して中国本土への密輸出活動を行ったとして対外貿易法違反で起訴するとともに、発見した物品全量を押収済みとした。

 税関では、広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸を摘発するとした。

対外貿易法違反で起訴された運び屋向けの密輸品供給拠点の責任者の男=2023年12月5日(写真:澳門海關)

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