マカオで中国人グループによる”秘薬詐欺”出現…地元の高齢者が被害

 マカオ治安警察局は2月13日、マカオの高齢者女性から現金を詐取したとして「寶藥黨(宝薬党)」と呼ばれる詐欺グループを構成していた中国人(中国本土居民)の男女4人(50〜60代)を逮捕したと発表。

 同局によれば、宝薬党は漢方医やヘルスケアの専門家に扮してよく効く秘薬があると騙り、実際には価値の低い薬剤を高値で相手につかませる伝統的な詐欺手法のひとつという。

 同月11日、マカオ人の70代の女性から「同日昼前、被害者がタイパ島の南京街を歩いていたところ、男女2人から滅多に手に入らない薬剤を買わないかと声をかけられ、すぐ直後に別の女2人が会話に加わり、4人揃って勧めてきたことから、1万8000パタカ(日本円換算:約34万円)でその薬剤を購入することにしたが、自宅に持ち帰った後に詐欺の可能性に気づいた」とする通報が寄せられたとのこと。

マカオ治安警察局が公開した証拠品(写真:マカオ司法警察局)

 通報を受けた同局が「天眼」と呼ばれる公共エリアの監視システムを活用して上述の4人の身元を特定した上、同日午後、マカオ半島中区にあるホテルで4人を逮捕。詐欺に使われた薬剤を発見・押収し、詐取した現金の奪還に成功したという。

 4人は犯行を認めており、それぞれ薬剤商人といわゆる”サクラ”の客を演じる役割を担い、同月7日にマカオ入りして以降、2人のターゲットに対して中国本土で安値で購入した薬剤を珍しいものであると偽って高く売りつけたなどと供述。同局では、4人全員について、詐欺及び組織犯罪の罪で検察院送致する方針。

 近年マカオでは高齢者を狙ったさまざまな詐欺事件が頻発しており、警察が累次の注意喚起を行っている。

マカオ治安警察局が逮捕した宝薬党の4人(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオではマカオでは世界的な健康意識の高まりを受け、2023年11月5日に「未成年者飲酒予防・管…
  2.  香港民航処は3月24日、同日付でモバイルバッテリーの機内持ち込み及び使用を制限する通達を発出した…
  3.  マカオ政府統計・センサス局が3月21日に公表した資料によれば、今年(2025年)2月の総合消費者…
  4.  マカオ政府衛生局(SSM)は3月21日、「喫煙予防及び管理制度」に関する2021〜2023年のフ…
  5.  マカオ政府文化局(ICM)は3月23日、今年で11回目を迎える「マカオ・インターナショナル・パレ…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…
  3.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年4月号
(vol.142)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun