香港、5/4の新型コロナ新規感染確認は4人…隔離期間満了後のフィリピン人ホームヘルパーから変異株ウイルス

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府の発表によれば、5月4日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から2人増の4人とのこと。内訳は輸入性(海外からの入境者)が3人、未分類(海外からの入境者だが市中感染の可能性あり)が1人。前日まで市中感染確認は3日連続ゼロを維持していたが、未分類事案の出現によって一旦途絶えるかたちとなった。

 未分類の1人はフィリピン人のホームヘルパーの女性で、「N501Y」変異株ウイルスが検出された。この女性の場合、3月31日にフィリピンから香港へ入境し、政府指定の検疫用ホテルで21日間の隔離検疫を受け、期間満了により市中へ出た後の感染確認だった。市中へ出た後、4月21日に身分証の手続きや健康診断のため政府機関やクリニックを訪れたほか、以降は九龍・荃灣地区にあるホストファミリー宅に勤務し、子供の幼稚園や習い事の送迎などで外出機会があったという。

 香港衛生当局の説明によれば、この女性は香港で市中感染した可能性もあるとし、未分類扱いにしたとのこと。感染力の強い変異株ウイルスに感染していることが判明したため、ホストファミリー宅のあるマンションの同じ棟の全住民を21日間の強制隔離対象に指定したことも明らかにした。近日、香港では隔離検疫期間を満了して市中に出た後に変異株ウイルス感染確認された例が複数出現している。

 輸入性の3人はインドネシア(2人)とインド(1人)からの入境者。インドからの入境者は妊婦で、N501Y変異株ウイルスの感染が確認されたという。

 香港では、4月30日にランタオ島の東涌地区にあるホスト家庭に勤務していたフィリピン人のホームヘルパーの女性(39)の変異株ウイルス感染(「N501Y」と「E484K」の二重感染=感染経路不明)が確認された。市中における感染経路不明の変異株ウイルス感染例は初めてのことで、この患者の立ち寄り先に滞在した人及び香港でホームヘルパーとして働く約37万人の外国人が強制ウイルス検査の対象となり、香港各所に開設された検査ステーションが進められている。

 このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)については10人以下とのこと。上述の二重変異株感染確認されたフィリピン人ホームヘルパーの雇い主の女性1人、外国人ホームヘルパーに対する強制ウイルス検査に絡むフィリピン人女性1人とその友人1人が含まれるという。

 香港におけるここまでの累計感染確認数は1万1791人。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は4月30日、越境自家用車を利用した違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)の…
  2.  このほど、マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)ギャラクシーマカオ内に現地初となる茅台酒…
  3.  中国本土で5連休となる「五・一」労働節ゴールデンウィーク(GW)はインバウンド旅客のうち7割を中…
  4.  アフターコロナ2年目となったマカオの昨年(2024年)通期のカジノ売上(粗収益、Gross Ga…
  5.  澳門海關(マカオ税関)は4月29日、同月14日から26日にかけて2025年第1次粤港澳(広東・香…

ピックアップ記事

  1.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  4月30日、マカオ立法会と政府との間で2025年施政方針の運輸・工務領域における政策討論が行われ…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…

イベントカレンダー

5月 2025
    1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
« 4月   6月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年5月号
(vol.143)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun