中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は196人…上海で週1回PCR検査必須に、北京ではクラスター拡大=6/11

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海など一部地域で比較的大規模な再流行が出現した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が6月12日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月11日の中国本土における新規市中感染確認者数は122人(前日から57人増)だったとのこと。内訳は、内モンゴル自治区78人、北京市34人、上海市10人。このうち内モンゴル自治区の52人、北京市の1人の計53人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは239日連続で、7日ぶりに100人超となった。

 市中の無症状感染例は74人(前日から1人増)。内訳は、北京市31人、上海市19人、内モンゴル自治区8人、遼寧省5人、広西チワン族自治区4人、雲南省3人、河北省1人、吉林省1人、福建省1人、重慶市1人。

 無症状を含む新規感染者数は196人で、2日連続100人超となった。

 5月末にロックダウンが解除となった上海市では目立ったリバウンドは出現していないものの、依然として社会面(隔離対象ではない一般市中)における感染者が散発的に出現している。同市では、6月12日から市民に対して週1回PCR検査を受けることが必須とされ、7日以内の検査記録がない場合は健康コードが黄色へ変わり、行動に不便が生じることになる。

 4月下旬から再流行が続く北京市については、すでに多くのエリアで社会面におけるゼロコロナを達成し、一部を除いて正常化が進んでいたが、近日、朝陽区にあるバー(クラブ規模の大型施設)でクラスターが発生。11日午後3時までに115人まで拡大し、濃厚接触者は6158人にも上っている。市当局は11日夕方の会見で、今回のクラスターは拡散性が強いとし、今後次々とこれに関連する患者が見つかると予想され、流行拡大につながるリスクも大きいとの見方を示した。

 このほか、これまでにもしばしば再流行が出現していた内モンゴル自治区(特にシリンゴル盟)で多くの感染例が出現する状況が続く。

 6月11日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は863人(うち輸入性が193人)で、重症者は21人(輸入性ゼロ)。無症状の患者2556人(輸入性471人)が医学観察下にあるとのこと。

 このところ中国本土の状況は安定してきたが、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に感染確認数の増加が続き、11日の新規市中感染確認数は800人超に。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持している。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

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