マカオ税関が着衣の下に隠す手口の茅台酒密輸事案摘発

 澳門海關(マカオ税関)は3月18日、各イミグレーション施設でリスク管理システム及び最新設備を用いてマカオと外地の間を往来する旅客と手荷物に対する検査体制の強化を図り、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に対して厳格な取り締まりを行う中、同月17日に着衣の下に隠す手口で中国の高級白酒として知られる茅台(マオタイ)酒の密輸事案1件を摘発したと発表。

 摘発があったのはマカオ半島北部に位置し、中国本土との主要な陸路の玄関口のひとつにあたる關閘イミグレーション施設で、マカオから中国本土への持ち出し(密輸出)を企図したケースだったとのこと。

 17日午後、同イミグレーション施設の出境口にある税関検査場の「申告物なし」レーンを通過しようとした旅客の女1人が不自然な歩き方だったことから税関職員が呼び止めてボディスキャナによる検査を実施した結果、脚部に8本の茅台酒、市価2万パタカ(日本円換算:約37万円)超を巻き付けるかたちで隠し持っていたことが発覚。

 上述の女は54歳の香港居民で、対外貿易法違反で起訴済みとした。

關閘イミグレーションで摘発された茅台酒8本の密輸出事案(写真:澳門海關)

 昨年(2023年)1月初頭のウィズコロナ転換による水際措置の緩和に伴い、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、密輸品の内容としては中古スマートフォンやコスメ製品、また着衣の下に隠す手口が特に目立っている。

 税関では、市民に対して出入境における携行品の出入りに関する法令の遵守及び報酬を目当てに運び屋行為へ従事しないよう累次の呼びかけを行うとともに、今後も継続して水際における各種取り締まりを強化して臨みむ考えを示した。

關閘イミグレーションで摘発された茅台酒8本の密輸出事案(写真:澳門海關)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  中国共産党中央香港マカオ工作弁公室主任で、中国政府の香港マカオ政策担当部門にあたる国務院香港マカ…
  2.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社がマカオ特別行政区の成立25周年を記念して…
  3.  マカオ政府交通事務局は5月17日、同月16日未明にタクシー助手席でのシートベルト着用をめぐるトラ…
  4.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社がマカオ特別行政区の成立25周年を記念して…
  5.  マカオ司法警察局は5月17日、同月16日にコタイ地区のカジノ施設にあるVIPルームを対象に実施し…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun