違法宿泊施設捜索時に逃亡の女性が墜落死―マカオ

マカオ政府旅遊局は8月22日、同日午前に治安警察局と合同で違法宿泊施設の疑いのあるマカオ・新口岸地区のマンション、永泰大廈12階にある部屋へ捜査員が入ろうとしたところ、突然一名の女性が部屋の奥にある窓から逃亡し、その後マンション5階のテラスで発見されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。

死亡したのは中国本土出身の46歳の女性で、中国パスポートでマカオへ入り、オーバーステイの状態だったという。司法警察局では、この女性が違法宿泊施設の客だったか経営者だったかなど、詳しい捜査を進めるとしている。事故原因については逃亡の際に足を滑らせて墜落したものとみている。

旅遊局と治安警察局の捜索時、死亡した女性が応対に出たというが、当局による捜索と気づき、すぐにドアを閉めて窓から逃亡を図ったという。その後、部屋の中にいた別の者がドアを開け、捜査員らを中に入れたという。この際、部屋にいたのは男女4名で、最初にドアを開けた女性はいなかったという。その後、大きな音がしたため警察官が外を見ると、マンション5階のテラスで、その女性が倒れているのを発見し、すぐに消防へ連絡して病院へ搬送した。病院到着時にはすでに心肺停止状態だったという。

なお、警察では部屋にいた4名のうち2名についてオーバーステイの疑いで身柄を拘束。また、旅遊局では初期調査に基づき違法宿泊施設であると確認されたとし、この部屋を封鎖した。

なお、今回の当局の捜査手法について問題視する意見はほとんどみられなかった。マカオの違法宿泊施設はオーバーステイ旅客の隠れ家や売春の管理施設として利用されることも多く、犯罪の温床になっていることから、23日付のマカオメディアの報道では、さらなる取り締まりの強化を求める論調が大勢を占めた。

合法宿泊施設への宿泊を呼びかけるチラシ(旅遊局ウェブサイトより)

合法宿泊施設への宿泊を呼びかけるチラシ(旅遊局ウェブサイトより)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  このほどマカオ政府財政局が公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2024年)1〜4月累計の歳…
  2.  マカオ治安警察局は5月9日、マカオ半島北部の新橋エリアにある宝飾品店から4000パタカ(日本円換…
  3.  マカオのマカオ半島とタイパ島を結ぶ3本の海上橋のうち、最初に架けられたカルヴァーリョ総督大橋(嘉…
  4.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は5月9日、今年第1四半期(2024年1〜3月)の人口統計…
  5.  マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角、SJMホールディングスは5月9日、今年第…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun