マカオに実在したカジノ(バカラ)のプロ集団達を直撃!

かつて、日本に梁山泊(りょうざんぱく)と呼ばれた伝説のパチンコ攻略軍団がいたのをご存知だろうか。1990年代頃、その独自の攻略法で全国のホールを震撼させたという。

おそらく、1980年以前の生まれの方なら、梁山泊の名を一度は聞いたことがあるだろう。攻略という言葉、パチンコに攻略法が存在するということを全国に知らしめた軍団であり、自由自在に当たりを出せるというから、誰もが喉から手が出るぐらい欲しいものだったのだとか。

ここ最近、マカオでカジノのバカラゲーム攻略法を駆使して活躍する軍団がいるという話を耳にした。彼らは、日本人、中国人、韓国人の集団で、独自にバカラを解析して、攻略法をあみだしたという。筆者がこのバカラ攻略集団の存在を知ったきっかけは、知人のギャンブラー男性からの情報だった。「常にバカラで勝ち続ける人がいて、今まで負けたところを見たことがない。」と不思議そうに話してくれた。

男性の話では、この軍団は月ベースで100万〜300万香港ドル(日本円換算:約1350万〜4060万円)ほど勝ち続けているらしく、とんでもない金額を稼いでいることに衝撃を受けた。最初は半信半疑だったが、興味をそそられたのも事実で、次第に実在して欲しいと願うような気持ちになった。

筆者もカジノを訪れ、テーブルゲームやスロットマシンをプレイする機会もしばしばあるのだが、これまで彼らをカジノフロアで見たことはない。本当にいるのかいないのか、都市伝説ではないか?と仲間うちでも話題となっている。

そうこうしているうちに、どうしても彼らに接触して事実を確認したくなり、知人のギャンブラーに、その集団の誰でもいいから会ってみたいと依頼した。

すると後日、「今、カジノのVIPルームに来ている。急いだら会えるかもしれない。」と連絡が入り、カジノ施設へ急行。筆者はVIPクラブのメンバーシップカードを持っていないため、知人の助けを借り、VIPルームに足を踏み入れた。

すると、その集団らしき人物達がバカラテーブルを囲んでプレイをしていた。年齢は50代くらいとみられる日本人男性2人と、韓国人とみられる体格のいい男性1人の3人組だ。黙って少し離れた背後の位置からゲームの推移を見守っていると、1シューター(約70ゲーム)で31回も勝利した。また、次の1シューターでは24回の勝利。まさに、確実なタイミングで勝利していた。1回につき3000香港ドル(約4万円)をベットしていたので、単純計算しても約90分間で16万5000香港ドル(約223万円)を手にしたことになるのだ。

彼らがプレイを終えてテーブルを離れたタイミングで、取材をさせてほしいと話しかけた。すると「顔と名前を出さない条件ならいいよ」と、日本人のうち1人でプロギャンブラーを自称するY氏が了承してくれた。以下、筆者とY氏の取材のやり取りをご紹介しよう。

-知人のギャンブラーの話では、今まで負けたことがないと聞きましたが、本当ですか?
プロ:「基本的には負けませんよ。ミス以外は(笑)」

- これまでの累計勝ち金は総額いくらぐらいになりますか?
プロ:「それは答えられないですね(笑)。ただ、グループ全体で、2年間ぐらいで新車のロールスロイス・ファントムが30台くらい買えたよねってリーダーと話をしたことはありました(笑)」

- お話が嘘とは思いませんが、信じられないというのが本音です…。確かに、先ほどのゲームでは、偶然に勝利したようには見えませんでした。
プロ:「普通では理解できないですよ…。私も初めはそうでしたから(笑)。でも、現実に勝ち続けられているので仕方ないですね(笑)」

- プロになる前は、どのようなお仕事をされていたのですか?
プロ:「昔から代理店ビジネスをしてきました(笑)。この世界は人間関係が複雑でね…。妬み、恨みだらけで疲れました…。責任があるので、今でも続けてますけどね(笑)。 ただ、リーダーが作り上げた、このカジノ金融ともいえるビジネスは人生を変える近道だと確信してます。日本人には理解できないないと思うけど、嘘のような本当の話って、まさにこのことだと身をもって感じてます。だから、本当に助けたい人だけはグループに推薦しようと思ってます(笑)」

- グループには何人ぐらい参加しているのですか?
プロ:「6人です」

- どうすればグループに参加できるのですか?条件があったりするのですか?
プロ:「参加はできますよ…。ただし、リーダーの気持ちしだいですね(笑)」

- 例えば、私も参加できたりするものでしょうか?
プロ:「リーダーに会って話してみたらどうですか(笑)。ただ、リーダーが会ってくれたらの話ですが(笑)。リーダーには話しておきますよ。」
そう言うと、彼は去っていった。

知人ギャンブラーに後日談を尋ねてみたところ、その後も彼らは次から次へと攻略法を編み出して稼いでいるとのことだった。

ただ、信じられない話だが、どんな分野においても、深く研究することによって人が気付かない、知りえない何らかの秘訣のようなものを発見できるのかもしれない。取材中にY氏から聞いた言葉が意味深に思えてならない。

「『バカラの攻略法を教えます』とネットでよく見かけますが、この攻略法という言葉自体がありえない。なぜなら、バカラに攻略法なんて存在しないからね。これは長年の指数論であり、あらゆるデータと経験値からつくり出された罫線指数論なんです。間違いなく、世界で我々しか成し得ない技なんです(笑)。 それでも何でもひとつでも、とことん研究して突き詰めれば大きい力になる…。何か自分の好きなこと、たとえ他人からしたらくだらないものでも追求することは、とても素晴らしいことであり、好きなものは素直に追い求めていけばいいと思う。ただ好きでやっていただけなのに、ふと気が付けば、『その道のプロ』になっていた…。ただ、それだけですよ。」

筆者は、今でも彼のこの言葉が脳裏から離れない。

マカオで活躍するバカラのプロ軍団メンバーとみられる男性らの後ろ姿=2019年8月撮影

マカオで活躍するバカラのプロ軍団メンバーとみられる男性らの後ろ姿=2019年8月撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は10月21日、同月16日に路線バスの車内で乗り合わせていた大学生の女性(20代…
  2.  1954年にスタートした歴史あるモータースポーツの祭典、マカオグランプリ(マカオGP)。市街地の…
  3.  マカオ政府交通事務局(DSAT)は10月19日、マカオにおけるスマート交通信号制御システム(スマ…
  4.  マカオ半島新口岸地区にある統合型リゾート(IR)「ウィンマカオ(永利澳門/Wynn Macau)…
  5.  マカオ政府衛生局(SSM)は10月17日夜、マカオ域内で今年(2024年)15例目(月内10例目…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年10月号
(vol.136)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun