マカオの19年11月通信統計公表、携帯電話の契約件数は10.6%増の246万件に…人口の約3.7倍、プリペイドSIMが全体の約7割

 マカオ政府統計調査局が12月30日に公表した最新の通信統計によると、マカオの今年(2019年)11月末時点の携帯電話契約数は前年の同じ時期から10.6%増の245万6687件だった。実に人口の約3.7倍に相当する。

 携帯電話契約数は昨年第4四半期からマイナス傾向が続いていたが、10月、11月は再び対前年増となった。

 携帯電話契約数が人口を大幅に上回る背景には、SIMロックフリー端末とプリペイドSIMカードの普及が挙げられる。携帯電話契約件数にはプリペイドSIMカード分も含まれ、10月は67.6%を占めた。マカオの人口は約67万人だが、アジア有数の観光都市として知られる。昨年のインバウンド旅客数は前年から9.8%増の約3580万人で、過去最多を記録。今年も11月までの累計で前年通期を上回った。市内各所にプリペイドSIMカードの自販機が並び、スーパーやコンビニエンスストアの店頭でも容易に購入やチャージをすることができるのも特徴といえる。

 マカオ、香港、中国本土は同じ中国でありながら、マカオは853、香港は852、中国本土は86という固有の国際電話の国(地域)コード番号を持ち、通信事業社も各地ごとに異なる。中国本土や香港を含む海外からマカオを訪れた旅客が携帯電話を利用する場合、国際ローミング扱いとなり通信料が高額となることから、マカオ到着後にマカオの通信事業社が販売するプリペイドSIMカードを購入することが一般化しているが、プリペイドSIM契約数のマイナスが続いた背景として、無料Wi-Fiスポットの充実が進む中、プリペイドSIMの需要が減少していたことなどが考えられる。なお、サイバーセキュリティ法の施行に伴い、マカオの通信キャリアが販売するプリペイドSIMカードについては、12月22日から実名登録が必須となっている。

 このほか、今年11月末時点のマカオの固定電話契約数は6.4%減の11万6975件、インターネット契約数は8.2%増の58万5143件。11月単月のインターネット総接続時間は22.5%増の1.4億時間、今年1〜11月累計では26.0%増の14.5億時間。

マカオのプリペイドSIMカード自販機(資料)—本紙撮影

マカオのプリペイドSIMカード自販機(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ政府金融管理局は12月5日、今年(2023年)10月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリー…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の海洋駅から西湾大橋を通ってマカオ半島…
  3.  マカオでは、今年(2023年)10月以降、アフリカなどからの経由便を利用して空路マカオに到着した…
  4.  マカオ政府衛生局(SSM)は12月4日、2003年の献血者アワード授賞式を開催した際、マカオにお…
  5.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は12月4日、テンセントビデ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ航空日本支社の発表によれば、現在成田路線を週4便(火・木・土・日曜)で運航しているが、今年…
  2.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  マカオで年に一度開催されるモータースポーツの祭典「マカオグランプリ」。1954年にスタートした歴…
  5.  マカオでは、2019年12月に初の軌道系大量輸送機関として新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2023年12月号
(vol.126)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun