マカオの総体失業率2.2%に、不完全就業者数急増…20年2〜4月期=新型コロナ影響下

 マカオ政府統計調査局は5月29日、今年(2020年2〜4月期の雇用統計を公表。総体失業率は前回調査(1〜3月期)から0.1ポイント(pt)上昇の2.2%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に限った失業率は0.2pt上昇の3.1%に。不完全雇用率は1.3pt上昇の2.1%だった。

 今年2〜4月期の労働人口は40.31万人、労働参加率は70.0%。このうち、就業人口は前回調査時から3200人減の39.42万人、マカオ居民に限ると2300人減の27.79万人。

 前回調査時との比較における主要業界別の就業人数の動向については、カジノ・カジノ仲介業が1.0%減の8.66万人、卸売・リテール業が4.1%減の4.73万人、建設業が4.1%増の3.80万人、ホテル業が4.4%減の2.83万人、飲食業が5.6%減の1.98万人だった。

 失業人口は前回調査時から400人増の8900人。失業人口のうち、直前までカジノ・カジノ仲介業と建設業に従事していた人の割合が多かったとのこと。このほか、初めて職探しをする新増労働力の占める割合は2.3pt下落の5.8%。

 不完全就業者数は5100人増の8300人に。業界別では小売業、建設業、カジノ・カジノ仲介業、運輸・倉庫業の占める割合が大きかった。

 前年同時期との比較では、総体失業率が0.5pt、不完全雇用率が1.6ptのそれぞれ上昇、労働参加率は横ばいだった。

 マカオでは今年(2020年)1月下旬から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫対策の一環として入境制限が講じられたことを受け、インバウンド旅客数が激減。3月下旬からは水際対策が一層強化されている。2月には15日間にわたるカジノ施設の一時休業もあった。インバウンド依存度の高い国際観光都市マカオの経済は大きなダメージを受けており、影響の長期化が懸念される。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun