マカオ、新型コロナ余波で失業率上昇続く…20年4〜6月期は2.5%=月給中位数も6.3%減の約20万円に

 マカオ政府統計調査局は7月27日、今年(2020年)4〜6月期(第2四半期)の雇用統計を公表。総体失業率は2.5%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に限った失業率は3.5%で、いずれも前回調査(3〜5月期)から0.1ポイント(pt)上昇した。不完全雇用率は0.8pt上昇の3.4%に。

 今年4〜6月期の労働人口は41.20万人、労働参加率は70.8%。このうち、就業人口は前回調査時から7300人増の40.19万人、マカオ居民に限ると800人減の27.93万人。

 失業人口は前回調査時から400人増の1万0100人。失業人口のうち、直前までカジノ・カジノ仲介業と飲食業に従事していた人の割合が多かったとのこと。このほか、初めて職探しをする新増労働力の占める割合は0.4pt上昇の5.5%。

 不完全就業者数は3300人増の1万3900人に。業界別ではカジノ・カジノ仲介業、運輸・倉庫業、建設業、リテール業、ホテル業の占める割合が大きかった。

 今年第1四半期(1〜3月期)との比較では、総体失業率が0.4pt、マカオ居民に限った失業率が0.6pt上昇。総就業人口は4500人増、マカオ居民に限った就業人口は900人減。主な業界別の就業人数の動向については、建設業が4500人増の4.10万人、カジノ・カジノ仲介業が5200人減の8.23万人。

 今年第2四半期の就業人口全体の月給中位数は今年第1四半期から6.3%減の1万5000マカオパタカ(日本円換算:約20.0万円)。業界別では、カジノ・カジノ仲介業が1万9800マカオパタカ(約26.4万円)、建設業が1万5000マカオパタカで、いずれも横ばい。マカオ居民に限った月給中位数も横ばいの2万マカオパタカ(約26.7万円)だった。

 マカオでは今年1月下旬から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫対策の一環として入境制限が講じられたことを受け、インバウンド旅客数が激減。3月下旬からは水際対策が一層強化されている。インバウンド依存度の高い国際観光都市マカオの経済は大きなダメージを受けており、入境制限が維持される中、影響の長期化が懸念される。

新型コロナの影響でインバウンド旅客が激減したマカオ。写真は観光名所の世界遺産・セナド広場=2020年7月19日本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は5月2日、タイ・バンコクからマカオへ向かう航空機内で3人の乗客の荷物の中から現…
  2.  中国本土で5連休となる「五・一」労働節ゴールデンウィーク(GW)はインバウンド旅客のうち7割を中…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は5月2日、今年第1四半期(2025年1〜3月)のマカオの…
  4.  マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、マカオ半島でMGMマカオ、コタイ地区で…
  5.  澳門海關(マカオ税関)は4月30日、越境自家用車を利用した違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)の…

ピックアップ記事

  1.  4月30日、マカオ立法会と政府との間で2025年施政方針の運輸・工務領域における政策討論が行われ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  5.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

イベントカレンダー

5月 2025
    1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
« 4月   6月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年5月号
(vol.143)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun