香港、12/11単日の新型コロナ新規感染確認数は86人…感染経路不明が第4波下で最多の37人=ワクチン購買状況と隔離検疫用ホテルリストも明らかに

 香港では、新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」を迎えている。

 香港政府は12月11日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が86人だったと発表。4日ぶりに2桁となった。内訳は市中感染が81人、輸入性が5人。市中感染のうち感染経路不明は37人で、第4波下で最多だった。このほか、陽性予備群が60人超いるという。

 市内各所で集団感染(クラスター)も相次ぎ確認されている。近日、集合住宅(マンション)における事例が目立つ。このうち、当局が九龍半島のカオルーンベイにある麗晶花園(リッチランドガーデン)タワー6の感染者が居住していた4ユニットから採取したサンプル検査を実施したところ、サンプル22点のうち8点(キッチンの床のの排水溝、トイレの換気扇等)から陽性反応が検出されたという。大規模クラスター化しているダンスクラブ関連は新たに2人の感染確認があり、合計700人超に。流行第4波が持続する中、一層の防疫措置の引き締めも実施されている。

 ここまでの香港における累計感染確認数は7378人、退院者数は5996人、死者数は114人。

 また、同日午後、香港特別行政区政府は記者会見を開き、ワクチン購入状況と海外から香港へ到着した人の隔離検疫用ホテルリストを発表した。

 林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官によれば、すでにワクチン製造メーカー2社と契約合意に至ったという。具体的には中国のシノバック・バイオテックと復星医薬(米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したものを供給)で、それぞれ香港向けに750万本を提供することになっており、シノバック製が最速で来月(2021年1月)、復星が供給を受けるものが来年第1四半期にも香港到着予定とのこと。このほか、英オックスフォード大が開発を進めるワクチンについても関係する製薬会社と契約合意間近の状況で、もう1つ別の製薬会社とも協議を進めているという。政府はワクチンの接種について医療従事者や高齢者などを中心としたグループ300万人を優先するとし、大多数の市民が来年内に接種を受けられるようにする考えを示した。

 公務員事務局の聶徳権(パトリック・ニップ)局長は、12月22日以降に外国から香港へ到着した人を対象に、政府指定ホテルで隔離検疫を受けることを必須とすると発表。指定ホテルリストも公表され、36軒、提供客室数は1万2000室。滞在費用は自費となるが、宿泊価格1泊あたり1000香港ドル(日本円換算:約1万3000円)以下のホテルが8割を占めるとのこと。いずれも政府の防疫基準を満たしており、ホテルスタッフは定期的にウイルス検査を受けるという。なお、現時点で指定外のホテルで隔離検疫中の場合、ホテルを移動する必要ないとした。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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