香港、2/5の新型コロナ新規感染確認数37人…うち1人は中国本土から入境の隔離検疫免除対象者

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府は2月5日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が前日から15人増の37人だったと発表。内訳は市中感染が前日から15人増の34人、輸入性が横ばいの3人。市中感染のうち感染経路不明は1人減の9人で、2日ぶりに1桁台だった。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は20人超とのこと。

 市中感染のうち1人は中国広東省深セン市から入境した隔離免除の対象者(ビジネス目的)だった。当局の説明によれば、1月21日に深センで受けた新型コロナウイルス検査結果は陰性で、23日に香港入りした後、27日に頭痛の症状が出現し、2月4日に香港で検査を受けたところ感染確認されたという。潜伏期間中の深センと香港の滞在時間が半々だったことから、市中感染に分類したとのこと。

 依然として市内各所で集団感染(クラスター)の出現が続いている状況。マンションの同一棟内、グループホーム内、職場内での感染連鎖も多く確認されており、市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させている可能性が指摘されている。

 香港では、第4波下で感染者が複数出現したビル(マンション)の住民に対する強制検査、1月下旬からは感染例の集中する特定区域を対象とした局地ロックダウンによる強制検査が散発的に実施されており、2月1日から強制検査対象とするビルの基準を引き締める(感染経路不明の感染者が出現、または環境サンプルでウイルスが検出されたビルすべてに)とともに、局地ロックダウンをより広範かつ頻繁に実施されるようになった。

 このほか、香港政府は5日、希望制の無償ウイルス検査の対象について、外国人ホームヘルパーと建設作業従事者に加え、セキュリティ・警備業従事者にも拡大すると発表した。

 ここまでの香港における累計感染確認数は1万0590人、退院者数は9750人、死者数は186人。

 香港で第4波が続く一方、海を隔てて隣にある人口約68万人のマカオでは、封じ込めに成功している。1月21日に約7ヶ月ぶりの新規感染確認があったが、ドバイからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。市中における感染確認に関しては2月5日まで313日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。

局地ロックダウンが実施された油麻地エリアの一角におけるウイルス検査の様子=2021年2月4日(写真:news.gov.hk)

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