マカオ、建設中・設計段階のホテルが37軒、約1万室分…20年第4四半期=客室供給数は現状1.3倍の4.4万室規模に

 近年、マカオでは新興埋立地のコタイ地区及びマカオ半島の新口岸地区を中心に大型カジノIR(統合型リゾート)、ホテルを含む複合ビル等の建設ラッシュが続いている。

 マカオ政府土地工務運輸局は2月5日、昨年第4四半期(2020年10〜12月)時点で建設中のホテルが17軒、設計段階のものが20軒あり、供給客室数は前者が8607室分、後者が2268室分に上ることを明らかにした。昨年第3四半期と前年同時期との供給客室数を比較すると、建設中のホテルで21.48%増と26.31%増、設計段階で1.90%減と48.08%減となった。(エリア別内訳は文末のデータ参照)

 マカオ政府統計調査局の資料によれば、昨年12月末時点で営業中のホテル数は前年の同じ時期から3軒減の120軒(新型コロナの影響で一時休業中及び隔離検疫用として政府が借り上げたホテルの客室分は含まず、以下同)、客室供給数は9.9%減の3.51万室となっている。

 目下、新型コロナ防疫対策の一環として水際措置が強化される中、政府が一部のホテルを隔離検疫施設として借り上げている。通常とは異なる状況のため、参考のための比較とするが、昨年12月末の数字に建設中及び設計段階の数を加えると、将来的にホテル数が157軒、客室供給数が4.41万室で、それぞれ約1.3倍規模となる。

 2020年内に完成したホテルについては、マカオ半島で5軒(客室供給数:1435室)、コタイ地区で1軒(同810室)。

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られ、一昨年の年間訪マカオ旅客数は過去最多の約3940万人、平均客室稼働率は90.8%に上った。

 しかしながら、コロナ禍に見舞われた昨年通期のインバウンド旅客数は前年から85.0%減の589万6848人(宿泊を伴う旅客の割合は47.9%)、ホテル客室稼働率は68.0pt下落の22.8%、ホテル宿泊客数は72.5%減の387.4万人(中国本土旅客に限ると71.9%減の276.0万人、占有率71.2%)にまで落ち込んだ。昨年9月下旬までにマカオと中国本土の間の往来制限が緩和されたことを受け、第4四半期にはマカオのインバウンド旅客の約7割を占める中国本土旅客の戻りが期待されている。ホテル客室稼働率は昨年4月から9月まで1割台に低迷したが、10月以降は復調傾向にあり、12月には5割超にまで達している。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

【資料】
2020年第4四半期時点で建設または設計段階のホテルデータ(エリア別)
<マカオ半島>
・建設中:11軒 1239室
・設計段階:15軒 901室
<タイパ島>
・建設中:なし
・設計段階:2軒 427室
<コタイ地区>
・建設中:5軒 7362室
・設計段階:2軒 483室
<コロアン島>
・建設中:1軒 11室
・設計段階:1軒 457室

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