マカオ、複数通貨カード普及拡大でクレカ発行枚数増続く…20年第4四半期

 マカオ政府金融管理局は2月5日、昨年第4四半期(2020年10〜12月期)のクレジットカード統計を公表。マカオにおける個人向けクレジットカード及びデビットカードの発行枚数はプラス傾向を維持、クレジットカード決済総額は同年第3四半期から増加したが、デビットカード取引総額は減少だった。

 昨年第4四半期末時点におけるマカオの銀行が承認した個人向けクレジットカードの総数は149万3832枚となり、同年第3四半期末から0.9%、前年の同じ時期から4.7%のそれぞれ増。増加要因として、ダブルカレンシー(2通貨=マカオパタカ/香港ドル)及びトリプルカレンシー(3通貨=マカオパタカ/香港ドル/人民元)カードの普及拡大を挙げた。決済通貨別ではマカオパタカカードが前年の同じ時期から4.8%増の104万4312枚、人民元カードが7.6%増の35万8178枚、香港ドルカードが6.6%減の9万1342枚。

 また、昨年第4四半期末時点におけるマカオの銀行が発行したデビットカードの総数は178万9030枚となり、同年第3四半期末から2.3%、前年の同じ時期から10.1%のそれぞれ増。決済通貨別ではマカオパタカカードが前年の同じ時期から7.7%増の117万5078枚、香港ドルカードが10.6%増の43万5178枚、人民元カードが27.3%増の17万8774枚。

 昨年第4四半期末時点でのマカオの銀行が承認したクレジットカードの与信総額は同第3四半期末から2.6%、前年同期末から9.9%のぞれぞれ増となる436億マカオパタカ(日本円換算:約5751億円)に達した。カード債券総額は26億マカオパタカ(約343億円)で、このうち支払い先送り分が未収債券の29.4%にあたる7.7億マカオパタカ(約102億円)。支払い予定日から3ヶ月以上の未収金比率は同年第3四半期末から0.1ポイント下落の2.1%。

 昨年第4四半期のマカオ発行クレジットカードの決済総額は同年第3四半期から9.0%増、前年同期から10.5%減となる56億マカオパタカ(約739億円)。このうち、キャッシングが1.6億マカオパタカ(約21億円)で、決済総額の2.8%を占めた。決済件数は同年第3四半期から11.0%、前年同期から6.3%のそれぞれ増となる292万件。このほか、利息及び手数料を含む返済総額は同年第3四半期から3.5%増、前年同期から13.2%減となる54億マカオパタカ(約712億円)だった。

 参考までに、マカオの人口は約68万人。マカオでは昨年1月末から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する防疫対策が本格的に講じられ、市民生活に不便が生じているほか、インバウンド依存度が高い国際観光都市であるため、経済にも甚大な影響が生じている。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

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