マカオの2025年5月貨幣・金融統計公表…銀行の不良債権比率が5.7%まで上昇
- 2025/7/7 17:39
- 産業・経済
マカオ政府金融管理局は7月7日、今年(2025年)5月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。
【マネーサプライ】
流通貨幣が前月から0.1%、通知預金が3.4%のそれぞれ上昇となり、M1は2.4%増。また、準通貨負債は1.1%上昇。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は1.2%の上昇に転じ、金額は8157億マカオパタカ(日本円換算:約14兆6619億円)に。前年同月との比較では、M1が11.4%、M2が7.9%のそれぞれ上昇。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが32.3%、香港ドルが46.4%、人民元が6.8%、米ドルが12.3%。
【預金】
前月過去最高を更新していたマカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高は1.3%増の7947億マカオパタカ(約14兆2844億円)、非居民による預金残高についても0.4%上昇の3510億マカオパタカ(約6兆3097億円)、公共部門の銀行システムへの預金残高は3.1%増の2161億マカオパタカ(約3兆8847億円)となり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は1.4%上昇の1兆3617億マカオパタカ(約24兆4786億円)で2ヶ月ぶりに上昇。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ19.2%、47.0%、8.7%、23.4%。
【融資】
地元民間部門への融資は前月から1.4%減の4985億マカオパタカ(約8兆9613億円)。対外民間部門への融資は7.6%下落の4952億マカオパタカ(約8兆9020億円)。民間部門へ融資額は合計で4.6%減の9937億マカオパタカ(約17兆8632億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ22.3%、43.8%、8.8%、21.8%。
【預貸率/不良債権比率】
銀行のマカオ居民に対する預貸率は今年5月末時点で前月末から1.6ポイント下落の49.3%。非マカオ居民含む総体預貸率は4.5ポイント下落の73.0%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ65.7%、57.9%水準。このほか、不良債権比率は前月から0.3ポイント上昇の5.7%に。このところ不良債権比率の上昇は落ち着きつつあったが、再び上昇に転じた。
