マカオ、今年8例目の輸入性デング熱感染確認…患者はベトナム出張戻りの地元女性

 マカオ政府衛生局(SSM)は7月10日夜、前日(9日)マカオ域内で新たに輸入性デング熱感染を1例確認したと発表。マカオにおける輸入性デング熱感染例出現は3ヶ月ぶりで、今年(2025年)8例目。当地感染例を含めると5日ぶり。

 今回感染確認された患者はマカオ人の女性(57)で、今年4月1日から6月28日にかけて出張でベトナムを訪れていた。マカオへ戻って以降の6月30日に微熱、7月3日に高熱、空咳、全身の筋肉痛、7日には全身に発疹が現れたため公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)の救急外来を受診。SSMの公衆衛生研究所による検査を経て、9日にデング熱Ⅰ型に感染していることが確認されたとのこと。目下、患者の容体は安定しており、同住者に体調不良は出現しておらず、5日前に出現した当地感染例とは無関係という。

 同局では、患者の渡航歴、発症時間、検査結果を総合し、輸入性感染例と判断。患者の自宅(マカオ半島の白馬行エリアにあるマンション「利豐樓」)周辺をリスクエリアと位置付け、緊急的な蚊の駆除を行うとした。

マカオ外港フェリーターミナルに掲出されている外遊先でのデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)=2024年8月本紙撮影

 デング熱は蚊(ヒトスジシマカ)を媒介とする感染症。一昨年のマカオにおけるデング熱感染確認は7例で、すべて輸入性だったが、昨年は輸入性感染が2月(1件)、5月(1件)、6月(2件)、7月(1件)、10月(18例)、11月(12例)、12月(4例)の計39例、当地感染が10月(1例)、11月(8例)の計9例に上った。なお、昨年分に関して、10月以降に感染確認された輸入性事案の大半にマカオと相互往来が緊密な広東省中山市、仏山市、江門市滞在歴があった。今年は今回のケースを含めて当地感染が1例、輸入性が8例で、渡航歴はタイが2人、フィリピンが2人、ベトナムが2人、ブラジルが1人、ミャンマーが1人。

 マカオの人口は約68万人、人口密度は世界的にみてもかなり高い約2万人/平方キロ。すでに雨季を迎え、蚊の発生しやすい状況となっており、またボーダーを跨ぐ移動が増える夏休みシーズンを迎えていることから、同局が市民に対して域内及び外遊時に予防対策を講じるよう繰り返し呼びかけるとともに、市政署と合同で蚊の発生源の調査及び駆除を強化して臨んでいる。

マカオ政府衛生局と市政署による蚊の発生源の調査及び駆除作業の様子=2025年7月(写真:SSM)

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