中国、江蘇省南京空港に続き湖南省張家界市の劇場でもクラスターか…各地で警戒高まる=7/28

 中国の南方にあり、香港やマカオと接する広東省、中でも広州市と仏山市を中心に5月下旬から新型コロナウイルス感染症の再流行が出現。厳格な防疫措置が奏功し、6月末までに一旦終息した。

 中国本土では、このところ雲南省において市中感染及び輸入性感染確認例が相次ぐほか、近日では江蘇省南京市にある南京禄口国際空港でクラスターが発生し、拡大が続く状況。また、新たに湖南省の張家界市にある劇場でもクラスターが発生した模様。

 近日、遼寧省大連市で発見された複数の無症状感染者が湖南省の張家界市にある魅力湘西劇場で7月24日に上演されたショーを鑑賞していたことが判明。およそ2000人の観客がいたとのこと。他にも、湖南省内、四川省成都市、北京市などで張家界市訪問歴のある人の感染、無症状感染例が相次ぎ確認され、各地で防疫措置の引き締めが進むなど、警戒が高まっている状況。

 広東省衛生健康委員会が7月29日朝に発表した内容によれば、28日全日の省内における新型コロナの市中感染例は無症状も含めてゼロだったとのこと。同省では23日から25日にかけて南京空港に滞在歴のある男女各1人の市中感染例が報告(1人目は23日に中山市で無症状感染とされた女性が24日に感染確認に転じたケース、2人目は25日に珠海市で無症状感染とされた男性)されているが、26、27日に続き3日連続で市中感染例がゼロとなった。

 この日の省内における輸入例は感染確認が3市(広州、仏山、肇慶)で3人、無症状感染が2市(広州、仏山)で6人。

 広東省の7月28日24時時点までの累計感染確認報告例は2872人(輸入例1305人)で、66人が医師による治療を受けている状況という。

 広東省内では、リバウンドや輸入例に対する警戒は続くものの、各地の状況に応じて各種防疫措置の調整(緩和)、それに伴う正常化が進んでいたが、中山市及び珠海市内で南京空港クラスター関連の感染者が出現したことを受け、両市では防疫措置の引き締めが図られるなど、警戒が高まっている。

 雲南省では、28日の市中感染確認はゼロだった。輸入性は、感染確認が16人。同省で市中、輸入性感染者が出現しているのはミャンマーと国境を接するエリアが中心。

 江蘇省の28日の市中感染確認は20人。南京空港クラスター関連が主。

 このほか、近日は四川省での市中感染確認例が相次いでいる。同省の成都市衛生健康委員会が28日に発表した内容によれば、これまでの新たな市中感染確認者は5人で、いずれも南京空港クラスターに関連するもので、張家界滞在歴もあったとのこと。

 7月28日24時時点の中国全土の感染確認者数(治療中)は887人で、うち23人が重症。無症状の患者441人が医学観察下にあるという。

 マカオと広東省の間は人の往来も多いことから、マカオ政府は矢継ぎ早に水際措置の強化と域内における防疫措置の調整などの対策を講じてきたが、状況の緩和に伴い措置の見直しが続き、7月10日をもって再流行前と同水準(直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で往来可能)にまで戻った。ただし、市中感染例の出現が相次ぐ雲南省、江蘇省の一部地域、遼寧省の一部地域、四川省の一部地域、湖南省張家界市全域、珠海市の一部対象者については、マカオ入境時に14日間の隔離検疫が必要。

 深セン市と陸で接する香港では、5月下旬に流行第4波が終息。以降、51日にわたって市中における伝播の出現はなく、輸入関連性事案が4人確認されたのみ。香港と中国本土の間の往来制限は維持されているため、マカオのような中国本土における状況の変化に応じた水際措置の調整は行われていない。

広州と広東省内外を結ぶ高速鉄道と地下鉄が乗り入れる巨大ターミナル「広州南駅」(資料)—本紙撮影

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