中国、新型コロナ市中感染確認が5省で61人…江蘇省揚州市が大半、各地で防疫体制厳格に=8/11

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な再流行が相次ぎ出現している。

 直近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、全国的な再流行が持続する中、各地で厳格な防疫措置が講じられている状況。

 中国の国家衛生健康委員会が8月12日朝に公表した内容によれば、11日の中国本土における新規市中感染確認は5省で計61人。内訳は江蘇省が38人、湖北省が10人、湖南省が7人、河南省と雲南省が各3人。無症状は湖北省で10人、浙江省で1人の計11人。

 11日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数(輸入性含む)は1836人で、うち60人が重症。無症状の患者511人が医学観察下にあるという。

 7月下旬から始まった中国本土におけるリバウンドは南京空港で発生したクラスターから波及したものだが、そのきっかけは海外から到着した航空機とされている。これまで10を超える省市に波及したものの、すでに伝播を断ち切ることに成功したところもあり、近日は主に江蘇省、河南省、湖北省、湖南省の4省で新規感染例の出現が続く状況。江蘇省の新規感染確認例は、初期には南京市に集中していたが、直近では揚州市にシフトしている。揚州市の感染者は市中の行動歴も多岐にわたっており、詳細の把握に時間を要しているとのこと。河南省では鄭州市にある境外からの感染者を収容する医療機関で発生したデルタ株の院内感染が発端で、市中に拡散した。また、湖北省の武漢市では建設現場でのクラスターが発生しており、作業員の1人が江蘇省の淮安を訪問した団体旅行客と鉄道駅で交差していたことがわかっている。目下、中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして対処を進めている。

 南京空港クラスターに絡むデルタ株感染者は10を超える省と市で確認されており、8月3日にはマカオでも確認され(一家4人のデルタ株感染)、その密接接触者が香港入りしていることも判明するなど、広範囲に影響が及んでいる。マカオでは全市民を対象としたPCR検査が実施され、結果は全員陰性となり、市中における伝播がないとみられる。香港入りした密接接触者についても、これまで受けた検査結果はすべて陰性だった。

デルタ株感染確認者の出現によりマカオでは一部エリアが局地ロックダウンされた(資料)=2021年8月3日(写真:GCS)

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