香港、空港のラウンジ職員1人が新型コロナ変異株感染…12日ぶり市中感染確認例、輸入性は2人=8/17

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、政府が5月29日に終息との見方を示した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員の市中感染確認(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)があった。

 香港政府の発表によれば、8月17日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は3人で、市中感染が1人(感染経路不明)、輸入性(海外からの入境者)が2人とのこと。3人ともL452R変異株感染。市中感染確認例の出現は12日ぶりとなる。

 市中感染確認された患者は香港国際空港にあるキャセイパシフィック航空のラウンジ内でフロアでの業務に従事する女性(47)。患者の直近の出勤日は8月14日で、15日に新型コロナワクチンを接種予定だったが、医師に体調を申告した際にウイルス検査受検を進められ、その結果が陽性だったことから感染確認に至ったもの。香港衛生当局は17日午後の記者会見において、感染経路が判明していない事例だが、トランジット旅客が感染源である可能性も排除できないとした。患者の密接接触者約30人が強制検疫、患者が潜伏期間中に立ち寄った場所(15ヶ所)へ居合わせた人と患者の住居周辺に暮らす人が強制ウイルス検査の対象となったが、これまでのところ対象者の中から陽性となった人は出ていないという。

 この日の輸入性の患者はそれぞれ英国とドバイ経由でオマーンから香港へ到着した2人。英国から到着した患者は新型コロナワクチン「コミナティ」(日本でファイザーと呼ばれるもの)を2回接種済みだったとのこと。

 翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は5人以下、市中感染ケースはないという。

 香港の8月16日午後8時時点のワクチン接種率は55.3%(1回目の接種完了)、43.2%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は669万9930回、1日あたり接種回数は6万6848回(7日移動平均値6万4440回)。香港ではワクチンが充足している状況で、9月末までに政府が免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割を突破できる見通し。

 このほか、香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は8月17日、一部の国・地域(中リスクのBグループにあたる日本も含まれる)からの入境者を対象に新型コロナワクチン接種完了証明と抗体検査の陽性証明を同時に提示することで隔離検疫期間を7日間まで短縮できる措置を見直し、隔離検疫期間を少なくとも14日間とする方針を明らかにした。

感染経路不明の変異株感染確認例の出現により局地ロックダウンが実施された九龍・黄大仙エリアの一角での強制検査受検状況確認作業=2021年8月17日(写真:news.gov.hk)

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