中国、新型コロナ市中感染確認は3省市で4人…うち2人が上海浦東国際空港従事者=8/20

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な再流行が相次ぎ出現している。

 直近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、全国的な再流行が持続する中、各地で厳格な防疫措置が講じられている状況。

 中国の国家衛生健康委員会が8月21日朝に公表した内容によれば、20日の中国本土における新規市中感染確認は4人で、内訳は上海市が2人、江蘇省と湖北省が各1人。市中の無症状感染は5日連続でゼロを維持した。

 20日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数(輸入性含む)は1786人で、うち33人が重症。無症状の患者508人が医学観察下にあるという。

 上海市で感染確認された2人はエチオピア人の機械エンジニアと中国人の作業員で、いずれも上海浦東国際空港の国際カーゴエリアでの業務に従事し、浦東新区居住。すでに新型コロナワクチンの接種を終えており、過去2週間以内は上海に滞在していたとのこと。これまでのところ中国国内の他エリアにおける感染例との関係はないとされており、疾病予防部門がウイルスゲノム解析を進めているという。すでに隔離済みの密接接触者及び二次接触者、スクリーニング対象4万人超に対するPCR検査結果は全員陰性だったとした。同空港では今月初旬にも国際カーゴ機サービススタッフのデルタ株感染例が報告されている。

 7月下旬から始まった中国本土におけるリバウンドは南京空港で発生したクラスターから波及したものだが、そのきっかけは海外から到着した航空機とされている。これまで10を超える省市とマカオに波及したものの、すでに伝播を断ち切ることに成功したところもあり、近日は主に江蘇省、河南省、湖北省、湖南省の4省で新規感染例の出現が続く状況。江蘇省の新規感染確認例は、初期には南京市に集中していたが、近日では揚州市にシフト。河南省では鄭州市にある境外からの感染者を収容する医療機関で発生したデルタ株の院内感染が発端で、市中に拡散した。また、湖北省の武漢市では建設現場でのクラスターが発生しており、作業員の1人が江蘇省の淮安を訪問した団体旅行客と鉄道駅で交差していたことがわかっている。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして対処を進めており、新規感染確認数は8月10日から減少傾向が続き、ここ数日はほぼ沈静化の様相を呈している。中国では今年5月下旬に広東省でも再流行が発生したが、約1ヶ月で封じ込めに成功した実績がある。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

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