マカオ、2021年7〜9月期の総体失業率2.9%…前回調査から0.1pt悪化

 マカオ政府統計調査局は10月29日、2021年7月〜9月期の雇用統計を公表。総体失業率は2.9%で、前回調査(2021年6〜8月期)から0.1ポイント(pt)上昇(悪化)したものの、4ヶ月連続で2%台を維持した。

 マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に限った失業率は0.2pt下落の3.9%。不完全雇用率は0.2pt上昇の3.9%に。

 2021年7〜9月期のマカオ居住の労働人口は38.68万人、労働参加率は68.5%。就業人口は前回調査から700人減の37.56万人、マカオ居民に限ると400人減の27.92万人。

 失業人口は前回調査時から600人増の1.12万人。求職中の失業者のうち直前までカジノ・カジノ仲介業、建設業に従事していた人の数が多かった。このほか、学校卒業生が労働市場に流入したタイミングにあたり、初めて職探しをする新増労働力の占める割合が2.4pt上昇の14.9%に。

 不完全就業者数は600人増の1.50万人。業界別ではカジノ・カジノ仲介業と建設業従事者の占める割合が大きかった。

 就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤するマカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約8.46万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から500人増の47.14万人。

 前の四半期(2021年4〜6月)との比較では、失業率と不完全雇用率がそれぞれ横ばい。海外労働者の減少により就業人口は300人減となったが、マカオ居民に限ると2800人増。業界別では、カジノ・カジノ仲介業の就業人口が2600人増の8.01万人、不動産・ビジネスサービス業は1600人減の3.17万人に。

 今年第3四半期(2021年7〜9月)の就業人口の月給中位数は1万6000マカオパタカ(日本円換算:約22.8万円)、マカオ居民に限ると2万マカオパタカ(約28.5万円)。業界別では、カジノ・カジノ仲介業が2万0000マカオパタカ、建設業が1万5000マカオパタカ(約21.4万円)。

 マカオで雇用の調整弁となっているのは海外労働者で、コロナ禍で厳しい経済情勢の中、マカオ政府労工局(DSAL)はマカオ居民の雇用の継続と優先就業を確保するため海外労働者数の調整を行っていることを明らかにしている。DSALが29日に発表した資料によれば、年初から10月22日までの間に同局のサポートにより就職に成功したマカオ居民が約2800人いるとのこと。今年9月末時点における海外労働者数は17万1418人で、前年同時期から2万5120人減だった。

DSALが開催した就職サポートイベントの様子(写真:DSAL)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  3.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  4.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  5.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun