香港、新型コロナ新規陽性者38人…航空会社クルーきっかけの伝播拡大=1/5

 人口約740万人の香港では、2020年11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、2021年5月にかけて状況が落ち着き、同月末までに終息した。

 6月以降も外遊歴のない人(多くが空港業務従事者)の散発的な感染確認があったものの、長く市中における連鎖的な伝播は出現していなかったが、大晦日に検疫規則違反のキャセイパシフィック航空の男性クルー(オミクロン変異株感染)をきっかけとしたレストラン「望月樓」店内での伝播が出現したことが判明し、83日にわたって続いた市中感染確認例ゼロ記録がストップ。以降、別のクルーを発端としたものも含めて市中での伝播が拡大している状況。

 香港衛生当局の発表によれば、1月5日午前0時時点集計の単日の新規陽性者は38人(症状有りの感染確認18人、無症状20人)で、内訳は輸入関連性(市中)が3人、市中が1人、輸入性(海外からの入境者)が34人。このうち35人が変異株感染、2人が変異株の有無を調べる検査結果待ち、1人がウイルス量不足で検査ができていないという。

 輸入関連性の3人は、1人が望月樓に居合わせた客の家族、2人が望月樓とは別のキャセイ航空の女性クルー(オミクロン変異株感染)に関連するもの(母親ほか)。市中感染の1人は設計事務所に勤務する男性で、当初は感染経路不明とされていたが、ウイルスゲノム解析の結果、上述の女性クルーのウイルス型と一致し、疫学調査から女性クルーの母親と同じ時間帯に同じレストランに居合わせていたことが明らかとなった。

 輸入性の患者については、フィリピンや米国から到着した人が多かった。

 香港における過去14日間(12月22日〜1月4日)累計の新規陽性者数は219人で、市中・輸入関連性事案が9人、残りは輸入性事案。ここまでの累計は1万2799人。

 香港政府は1月5日午後、昨今の情勢の変化を受けて、域内における防疫措置を1月7日から、水際措置を1月8日からそれぞれ引き締めることを発表した。

 このほか、香港の1月4日午後8時時点のワクチン接種率は73.2%(1回目の接種完了)、69.5%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は1004万3368回、1日あたり接種回数は3万8695回(7日移動平均値2万3519回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は昨年9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月23日にようやく達成された。また、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の累計接種回数は43万7750回。直近で市中感染確認例が相次ぎ出現したことで、再び接種回数に増加傾向が見受けられる。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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