香港、新型コロナ新規陽性者は37人…新たな感染経路不明の市中感染例出現、オミクロン変異株感染疑い=1/8

 人口約740万人の香港では、2020年11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、2021年5月にかけて状況が落ち着き、同月末までに終息した。

 6月以降も外遊歴のない人(多くが空港業務従事者)の散発的な感染確認があったものの、長く市中における連鎖的な伝播は出現していなかったが、大晦日に検疫規則違反のキャセイパシフィック航空の男性クルーをきっかけとしたレストラン「望月樓」店内での伝播が出現したことが判明し、83日にわたって続いた市中感染確認例ゼロ記録がストップ。年初にはキャセイ航空の女性クルー(キャビンアテンダント職)を発端とした別の感染連鎖伝播チェーンが出現し、連日新たな陽性者が相次いでいる。いずれも感染力が非常に強いとされるオミクロン変異株の事案。

 香港衛生当局の発表によれば、1月8日午前0時時点集計の単日の新規陽性者は37人で、内訳は輸入関連性を含む市中が7人、輸入性(海外からの入境者)が30人。

 輸入関連性を含む市中の7人のうち1人が感染経路不明(オミクロン変異株感染疑い)とのこと。患者はスーパーマーケットマーチャンダイザーの女性(58)で、多くの店舗やショッピングフェア会場を訪れていたが、これまでに陽性となった別の患者との接点がわかっていないという。その他はキャセイ航空クルーをきっかけとした既知の伝播チェーン上にある事案とみられる。

 これとは別に初歩陽性者が約30人おり、輸入性及び市中における既知の伝播チェーン上にある事案以外では、香港国際空港で航空機内のトイレ清掃や枕カバーの交換などを担当していた女性(39)が含まれるという。

 目下、香港では市中で出現した陽性者及び初歩陽性者の住居のあるマンション同棟住民や立ち寄り先に居合わせた人が次々と隔離検疫あるいは強制ウイルス検査の対象となっている。

 このほか、香港の1月7日午後8時時点のワクチン接種率は74.0%(1回目の接種完了)、69.7%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は1016万8706回、1日あたり接種回数は4万4805回(7日移動平均値3万4726回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は昨年9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月23日にようやく達成された。11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の累計接種回数は49万3310回。直近で市中感染確認例が相次ぎ出現したことで、再び接種回数に増加傾向に転じている。

香港国際空港(資料)-本紙撮影

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