下半期カジノ売上成長鈍化予測も株価は堅調

マカオ特別行政金融管理局は18日、季刊マカオ金融研究レポートの中で、今年マカオを訪れる観光客数、消費金額の伸長幅が限定的であるとし、経済成長スピードが鈍化するとの見方を示した。このほかマカオパタカの為替指数が過去3年で8%上昇したことにおる価格競争力低下にも言及。ゲーミングサービス輸出はマカオのツーリズム活動、サービス輸出の重要要素であり、VIPカジノからマスゲーミングへと市場の趨勢が移り変わる中、総体ゲーミングサービスの成長鈍化に反映されるという。こういった事象から、上半期のカジノ売上は予想を上回る好調だったが、下半期は明確に成長鈍化が見られるとしている。

レポートによると、ゲーミング市場においてVIPからマスゲーミングの占める割合が増えていることから、サービス輸出の伸びが2012年第2四半期から顕著に鈍化している。ゲーミング企業の収益に占めるVIP市場の比重は2011年第2四半期の74%から2013年第1四半期には67.8%へと減少。ゲーミング企業によるカジノ直接税は今年1-5月に15.1%増となる507億パタカとなった。

なお、レポート発表後も香港証券取引所へ上場するマカオのゲーミング関連株式の値動きは堅調に推移し、終値は総じて小幅高という結果となった。マーケットではマカオのゲーミング業の先行きに対して楽観的な見方をしている模様。マスゲーミングへの比率が高まることで、ゲーミング企業の利益率が向上するほか、マス対象のレジャー・エンタテインメント要素を強化する企業の動きが観光地としてのマカオの競争力を高めることにつながる点が評価された可能性が高い。

マカオのカジノ(写真はイメージ)―本誌撮影

マカオのカジノ(写真はイメージ)―本誌撮影

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