マカオの銀行における国際業務割合が2四半期ぶり上昇…2021年4Q

 マカオ金融管理局は2月17日、昨年(2021年)12月のマカオ国際性銀行業務統計を公表。

 昨年第4四半期のマカオの銀行業務全体に占める国際性業務割合は前四半期との比較で上昇となった。昨年12月末におけるマカオの銀行システム総資産に占める国際資産の割合は同年9月末から0.4ポイント上昇の86.3%。国際負債の割合についても0.1ポイント上昇の83.9%。いずれも2四半期ぶりの上昇。

 外貨はマカオの国際銀行業務における主要取引単位となっている。昨年12月末における国際銀行資産と負債に占めるマカオパタカの割合は1.1%と0.7%。香港ドル、米ドル、人民元、その他外貨の国際資産に占める割合は30.2%、47.6%、16.9%、4.2%、国際負債に占める割合は36.4%、38.4%、21.9%、2.6%。

 昨年12月末におけるマカオの銀行の国際資産総額は、同年9月末から7.1%増の2兆3114億マカオパタカ(日本円換算:約33兆2153億円)。このうち、対外資産は7.6%増の1兆7645億マカオパタカ(約25兆3562億円)、マカオにおける外貨資産は5.4%増の5469億マカオパタカ(約7兆8591億円)。国際資産の主要構成要素である外地におけるノンバンクローンは1.4%減の7399億マカオパタカ(約10兆6325億円)。

 昨年12月末におけるマカオの銀行の国際負債総額は、同年9月末から6.8%増の2兆2470億マカオパタカ(約32兆2898億円)。このうち、対外負債は9.0%増となる1兆3698億マカオパタカ(約19兆6893億円)、マカオにおける外貨負債は3.5%増の8772億マカオパタカ(約12兆6055億円)。マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)及びマカオ特別行政区政府による各種外貨預金が国際負債の主要な構成要素となっており、昨年12月末における残高は前年同時期から25.2%増の7665億マカオパタカ(約11兆0148億円)。

 マカオの国際銀行業務は主にアジア、米州及び欧州に分布している。昨年12月末におけるマカオの銀行システムの対外資産のうち、対中国本土及び香港の債権が占める割合が42.3%、28.2%を占め、ルクセンブルク及びポルトガルが1.0%及び0.7%、ポルトガル語圏諸国及び「一帯一路」周辺国家が1.1%及び8.8%。対外負債全体に占める対中国本土及び香港の割合は45.2%及び32.7%、英国及びフランスが4.5%及び3.1%、ポルトガル語圏諸国及び「一帯一路」周辺国家が0.5%及び7.8%。

 マカオ国際性銀行業務統計は国際決済銀行(BIS)が提唱する方法で作成されたもの。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は7月25日、今年第2四半期…
  2.  マカオ・コタイ地区にある東亜運動会体育館(通称:マカオドーム)で7月26日午後、マカオ警察総局と…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は7月26日、今年第2四半期(2024年4〜6月期)の雇用…
  4.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  5.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun