中国本土の新型コロナ新規市中感染確認は無症状含め9875人…吉林省と上海市が主=4/1

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。最近の再流行は主にオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)が主とされる。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月2日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月1日の中国本土における新規市中感染確認は2086人(前日から299人増)だったとのこと。内訳は、吉林省1730人(長春市1544人、吉林市178人、四平市6人、白城市2人)、上海市260人(浦東新区79人、閔行区56人、徐匯区35人、松江区19人、普陀区12人、静安区11人、楊浦区11人、宝山区10人、嘉定区10人、黄浦区8人、虹口区3人、金山区3人、奉賢区2人、崇明区1人)、黒竜江省21人(ハルビン市16人、ジャムス市5人)、浙江省14人(杭州市3人、金華市3人、寧波市3人、湖州市2人、温州市1人、嘉興市1人、台州市1人)、福建省13人(泉州市10人、アモイ市2人、ショウ州市1人)、江蘇省12人(徐州市9人、無錫市1人、淮安市1人、鎮江市1人)、山東省8人(済南市2人、日照市2人、青島市1人、煙台市1人、威海市1人、徳州市1人)、海南省8人(海口市5人、三亜市1人、瓊海市1人、陵水リー族自治県1人)、遼寧省4人(瀋陽市3人、大連市1人)、江西省3人(南昌市2人、上饒市1人)、湖南省3人(長沙市1人、衝陽市1人、益陽市1人)、河北省2人(保定市)、四川省2人(成都市1人、楽山市1人)、青海省2人(海東市)、天津市1人(河東区)、安徽省1人(淮南市)、河南省1人(信陽市)、雲南省1人(徳宏タイ族チンポー族自治州1人)。このうち吉林省の20人、福建省の10人、山東省の4人、浙江省の3人、上海市の2人、江蘇省、海南省、四川省、雲南省の各1人の計44人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは168日連続。4桁となるのは21日連続。

 市中の無症状感染例についても7789人(前日から2347人増)に上った。近日は高止まりが続く。内訳は、上海市6051人(浦東新区2518人、閔行区972人、徐匯区594人、松江区488人、黄浦区242人、普陀区236人、嘉定区191人、静安区178人、奉賢区160人、楊浦区124人、青浦区87人、崇明区83人、虹口区57人、金山区47人、長寧区38人、宝山区36人)、吉林省1244人(長春市894人、吉林市349人、四平市1人)、福建省68人(泉州市62人、福州市4人、寧徳市2人)、河北省66人(邯鄲市48人、唐山市8人、廊坊市5人、保定市4人、滄州市1人)、安徽省55人(淮南市35人、蕪湖市11人、阜陽市5人、合肥市3人、ジョ州市1人)、江蘇省54人(蘇州市16人、徐州市12人、南通市10人、宿遷市7人、鎮江市6人、南京市1人、塩城市1人、泰州市1人)、遼寧省52人(瀋陽市44人、営口市5人、葫芦島市2人、大連市1人)、江西省41人(南昌市38人、吉安市2人、撫州市1人)、黒竜江省29人(ジャムス市13人、ハルビン市8人、黒河市8人)、山東省27人(棗荘市5人、済南市4人、聊城市4人、浜州市4人、臨沂市3人、青島市2人、日照市2人、済寧市1人、泰安市1人、徳州市1人)、広東省22人(肇慶市12人、東莞市6人、深セン市2人、珠海市1人、仏山市1人)、河南省17人(周口市11人、永城市3人、ラク河市1人、商丘市1人、信陽市1人)、浙江省14人(嘉興市6人、杭州市3人、温州市2人、麗水市2人、紹興市1人)、湖北省11人(随州市5人、武漢市2人、黄石市2人、考感市1人)、甘粛省9人(蘭州市)、新疆ウイグル自治区9人(バインゴリンモンゴル自治州8人、ウルムチ市1人)、広西チワン族自治区6人(防城港市2人、百色市2人、南寧市1人、北海市1人)、海南省6人(三亜市4人、海口市1人、瓊海市1人)、雲南省6人(紅河ハニ族イ族自治州2人、徳宏タイ族チンポー族自治州2人、昆明市1人、曲靖市1人)、重慶市2人(南岸区1人、雲陽県1人)。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況だが、近日の両市の感染確認数は低位を維持している。ただし、近日は上海から同省入りした人の感染が発覚するケースも複数あり、流入に対する警戒が高まっている状況。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が相次いでいるが、特に深刻なのが連日4桁台が続く東北部の吉林省と華東部の上海市。上海市では3月28日から4月5日かけて、黄浦江を境に市の東・南部と西部に分けて、順番に事実上のロックダウンを伴う全市民を対象としたPCR検査が実施されている。目下、約1600万人の人口を抱える西部12区が対象となっており、住民は自宅にとどまることが求められ、公共交通機関も運休中。ロックダウン終了済みの東・南部についても、感染者が出現した場所についてが封鎖され、住民は外出禁止に。その周辺一帯も閉塞管理区域となり、区域外への外出が制限される。さらに、その他の地域でも厳格な人流管理が行われるという。上海市当局は4月2日から市外へ向かう際、48時間以内のPCR検査陰性証明に加え、24時間以内の抗原検査陰性証明の提示を求める措置を講じている。

 中国の国家衛健委は4月1日午後の会見で、3月の中国本土における累計市中感染者数は29の省市区で10万3965人に上り、9割が吉林省と上海市で報告されたものとし、吉林省の流行は依然として発展途上、上海市についても急増段階にあるとの見方を示した。

 4月1日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2万7128人(うち輸入性が661人)で、重症者は58人(輸入性はゼロ)。無症状の患者6万3886人(輸入性1182人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では4月1日まで173日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、4月1日までの累計は約115万人(無症状含む)、死亡者数は7732人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近7日連続で新規感染確認数が1万人以下となったが、依然として高止まりが続く状況。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主とされる。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースや輸入品に付着したウイルスの発見も相次いでおり、流入に備えて防疫措置が引き締めとなっている。

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