香港の新型コロナ新規感染者数5823人、9日連続下落…第5波累計約115万人、死亡者は7732人に=4/1

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。

 香港衛生当局が4月1日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から1158人減(16.6%減)の5823人(輸入性3人含む)とのこと。9日連続で下落、7日連続で1万人を下回った。第5波開始以来の累計感染者数は約115万人に。

 この日新たに確認された死亡者数は120人で、第5波開始以来の累計死亡者数は7732人、総体死亡率は約0.67%に。

 当局では、単日の新規感染確認者数が減少していることについて、すでに市中で一定数が感染したため、ウイルスの伝播力が弱まっている可能性があるが、単日約5000人という数は依然として非常に多く、人流が増加すれば増加に転じる恐れがあり、清明節が迫る中、参拝に出かける際には、できるだけ間隔を空けるよう呼びかけた。

 2月以降の感染急拡大によって、医療現場のキャパシティ不足が深刻化したことを受け、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めて対処を進めた結果、直近では入院待機状況が改善傾向にあるという。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開されている。

 香港の3月31日午後8時時点のワクチン接種率は92.1%(1回目の接種完了)、84.7%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は60.6%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。3月31日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は4万4000回で、7日移動平均は4万9846回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(81.9%)と80歳以上(57.9%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げている。

新型コロナワクチン接種率向上策のひとつとして展開中の高齢者及び障がい者宅への訪問接種の様子を視察する香港公務員事務局の聶徳権(パトリック・ニップ)局長(中央)=2022年3月31日(写真:news.gov.hk)

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