香港の新型コロナ新規感染者数233人、ピーク期以降の最少を3日連続更新…火鍋店クラスターは12人に拡大=5/9

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少傾向を維持している。

 香港衛生当局が5月9日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から33人減の233人(輸入性33人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が120人、迅速抗原検査経由が113人。3日連続で減少となり、またピーク期以降の最少を更新したほか、16日連続500人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は約119.4万人。

 香港では、4月以降段階的に水際措置を緩和したため、このところ輸入性の感染例が連日出現している。この日の輸入性の感染者33人のうち、空港での検査で陽性となったケースが19人、残る14人は隔離検疫期間中の検査で発見されたもので、3日目と5日目が主だったとのこと。

 新規の死亡報告は1人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9134人に。死亡率は横ばいの0.765%。

 香港では、流行状況の安定を受けて、4月中旬から学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の第一段階緩和と第二段階の一部先行緩和が実施されているが、新規感染者数の目立ったリバウンドは出現していない。

 ただし、近日は新界・元朗地区にある火鍋店でクラスターが出現。これに関連する感染者数は9日までに累計12人となった。5月1日の夕食時間帯に店内に居合わせた客が9人と、その同住者1人、また別の客の勤務先の高齢者介護施設の入所者1人、このレストランのシェフ1人。同一時間帯に居合わせた客192人が強制検査の対象とされ、これまで138人が陰性だったことがわかっているとのこと。48人いる店員については、44人が陰性、1人が陽性(上述のシェフ、最終出勤日は5日、8日に症状出現)、3人が検査結果待ち。当局は、今後も新たな感染者が出現する可能性は否定できないとの見方を示している。

 5月8日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.4%(1回目の接種完了)、85.3%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。8日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万3230回で、7日移動平均は2万8295回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(71.5%)、70〜79歳(79.94%)、80歳以上(64.92%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港国際空港(資料)-本紙撮影

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