香港の新型コロナ新規感染確認者数は9708人…流行第5波累計150万人突破=8/28

 人口約730万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 香港衛生当局が8月28日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から1270人増の9495人、輸入性は19人減の213人だった。

 輸入性の感染例の発見に至った検査地点・タイミングは空港が82人、隔離検疫期間(到着後1〜3日目)が60人、隔離検疫期間を満了して市中に出た後の到着4〜7日目が51人、同8〜10日目が13人。

 市中と輸入性の合計は前日から1251人増の9708人。9千人超となるのは今年3月25日以来のこと。第5波開始以来の累計感染確認数は約150.1万人。

 新規死亡報告数は10人、年齢は62〜99歳。だたし、このうち5人の死因について、新型コロナとの関連性は低いという。第5波開始以来の累計死亡者数は9451人に。

 衛生当局は単日の新規感染確認者数が9千人の大台を突破したことについて、このところ感染確認者数の急増が続いており、1万人突破は想定の範囲内とする従来からの見方を繰り返し、市民に対して防疫措置への協力を呼びかけた。

 目立ったリバウンドの出現要因として、主流株がオミクロンBA.5へ置き換わりつつあることが指摘されている。最新データでは、オミクロンBA.4あるいはBA.5感染疑いの全体に占める割合が50.5%まで上昇したとのこと。

 香港では2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬から目立ったリバウンドが出現している。2〜3月にかけてのピーク後に、水際措置及びソーシャルディスタンス措置の段階的緩和があった。

 近日、入院患者数の増が続く中、8月21日夜にランタオ島のアジアワールドエキスポ内の臨時病院が再稼働したほか、23日には公立病院における第三段階病床調整プランが発動され、臨時病院の容量拡大と併せてコロナ患者用の病床は2500〜5500床を確保できる状況に。その一方で、緊急性を要しない医療サービスに影響が生じ始めている。2〜3月にかけてのピーク時には医療崩壊が発生し、中国本土からの支援隊が駆けつける事態となったことは記憶に新しい。

 8月27日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は93.4%(1回目の接種完了)、90.3%(2回目の接種完了)、71.2%(3回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。27日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万8112回で、7日移動平均は2万0062回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3歳以下(10.02%)、3〜11歳(80.8%)、70〜79歳(82.5%)、80歳以上(70.42%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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