香港の新型コロナ新規感染確認者数は8278人…中秋節連休明け1週間経過も目立ったリバウンドなし=9/17

 人口約730万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 香港衛生当局が9月17日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から719人減の8149人、輸入性は2人減の129人だった。

 市中と輸入性の合計は前日から721人減の8278人で、8日連続1万人以下を維持。第5波開始以来の累計感染確認数は約168.8万人。

 新規死亡報告数は16人で、年齢は4〜98歳。このうち10人が3回目のワクチン接種を受けていなかった。第5波開始以来の累計死亡者数は9655人に。

 当局は、中秋節連休に市民の社交活動が多くなることから流行拡大につながる懸念もあったが、連休明けから1週間が経過し、これまでのところ新規感染者数の明瞭あるいは大幅な増は出現せず好ましい状況ではあるものの、流行が落ち着いたと判断するにはもう1週間ほど様子見が必要があるとの見方を示した。また、汚水観測データについて、月初に採取したサンプルでは毎1リットルの1人あたりウイルス含有量は50万〜60万水準だったが、過去1週間では40万〜45万まで下落したとするデータも明らかにした。前日の会見でも、香港大学の研究による最新の実効再生産数が1に近い水準まで下落したことが紹介された。

 香港では2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬からは主流株のオミクロンBA.5への置き換わりが進んだことで、目立ったリバウンドが出現している。2〜3月にかけてのピーク後には、水際措置及びソーシャルディスタンス措置の段階的緩和があった。リバウンドの出現を受けて、ソーシャルディスタンス措置については追加緩和の見合わせが続く。

 9月16日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は93.8%(1回目の接種完了)、91.4%(2回目の接種完了)、75.8%(3回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化やワクチンパス制度の導入を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。16日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は3万3933回で、7日移動平均は2万8553回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3歳以下(15.3%)、3〜11歳(82.79%)、70〜79歳(82.87%)、80歳以上(70.91%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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