マカオカジノ6社の2023年1QのEBITDAが合計約1600億円に…コロナ前の45%程度

 マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6社の今年第1四半期(2023年1〜3月期)の監査前業績が5月22日までに出揃った。

 マカオは今年1月8日にウィズコロナへ完全移行し、水際措置の大幅緩和が進んだことを背景に、6社の業績からもゲーミング(カジノ)及びツーリズム(観光)業が急回復している状況がうかがえた。

 中でも、本業で稼ぐ力を示す企業価値評価指標とされるEBITDA(税引前利益に、特別損益、支払利息、および減価償却費を加算した値)に注目すると、6社いずれもプラスに転換。6社のEBITDA合計は91億香港ドル(日本円換算:約1609億円)超に上った。ただし、コロナ前にあたる2019年同時期との比較では45%程度。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

 6社の中で最も早く回復が進んだのがMGMチャイナ社だ。今年第1四半期のEBITDAは2019年同時期の87%に達した。同社はマスゲーミング(いわゆる平場)のカジノ売上がコロナ前を上回ったことを明らかにしている。同社は今年からスタートした新カジノ今セッションにおいて6社中最高の評価点を獲得しており、より多くのゲーミングテーブル配分の獲得に成功したとされる。マカオのカジノのゲーミングテーブル数は上限が決まっており、当局が各社へ配分するかたちとなっている。一方、SJMホールディングスは最も回復が遅く、同2.8%にとどまった。コロナ禍の2021年夏にオープンした新IR(統合型リゾート)グランドリスボアパレス分が依然マイナスだったことによる影響が主。

 以下、各社の業績発表内容より、調整後プロパティEBITDAに関する部分を抜粋する。(※発表順)

1)サンズチャイナ社
3.98億米ドル(約552億円)/2019年同期比46.35%

2)MGMチャイナ社
14.13億香港ドル(約250億円)/2019年同期比87%

3)ウィンマカオ社
1.65億米ドル(約229億円)/2019年同期比31.5%。

4)メルコリゾーツ社
1.9億米ドル(約263億円)/2019年同期比46.7%

5)SJMホールディングス社
3100万香港ドル(約5.5億円)/2019年同期比2.88%

6)ギャラクシーエンターテイメント社
19.1億香港ドル(約338億円)/2019年同期比47.75%

 なお、マカオのインバウンド旅客数、カジノ売上ともに今年1〜4月累計が前年通期の実績を上回って進捗しており、今後どの程度のスピードでどこまで回復するかに注目される。

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