マカオの2023年8月貨幣・金融統計公表…不良債権比率2.3%、前月から0.1pt上昇

 マカオ政府金融管理局は10月6日、今年(2023年)8月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。

【マネーサプライ】
 流通貨幣が前月から0.9%、通知預金が0.7%のそれぞれ下落で、M1は0.7%減。また、準通貨負債は0.2%下落。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は0.3%の下落に転じ、金額は7237億マカオパタカ(日本円換算:約13兆4022億円)に。前年同月との比較では、M1が3.7%下落、M2が5.0%上昇。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが34.4%、香港ドルが45.2%、人民元が8.3%、米ドルが10.1%。

【預金】
 マカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高は前月から0.3%減の7031億マカオパタカ(約13兆0207億円)で3ヶ月ぶりのマイナス、非居民による預金残高については9.8%増の3263億マカオパタカ(約6兆0428億円)で3ヶ月連続増、公共部門の銀行システムへの預金残高は4.5%下落の2115億マカオパタカ(約3兆9168億円)で4ヶ月ぶりのマイナスとなり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は1.4%上昇の1兆2409億マカオパタカ(約22兆9802億円)で3ヶ月連続伸長。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ20.1%、44.5%、8.9%、23.7%。

【融資】
 地元民間部門への融資は前月から0.9%下落の5520億マカオパタカ(約10兆2225億円)。対外民間部門への融資は5.7%減の5867億マカオパタカ(約10兆8651億円)。民間部門へ融資額は合計で3.4%減の1兆1388億マカオパタカ(約21兆0895億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ19.6%、46.6%、11.4%、20.1%。

【預貸率/不良債権比率】
 銀行のマカオ居民に対する預貸率は今年8月末時点で前月末から0.3ポイント上昇の60.4%。非マカオ居民含む総体預貸率は4.5ポイント下落の91.8%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ63.9%、57.6%水準。このほか、不良債権比率は0.1ポイント上昇の2.3%に。不良債権比率はじわじわと上昇が続いている。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

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