習主席、中国「五千年」の文明に誇りを=マカオ大学訪問時、寄宿生らを激励

マカオ返還15周年記念式典などに出席するためマカオを訪れていた中国の習近平国家主席は12月20日、マカオ大学(公立)のキャンパスを視察した。

習主席は、学生寮を訪れた際、マカオ大学で学ぶ約20人の学生とテーブルを囲んでの交流会に出席。テーマは「中国民族文化」だったという。習主席は学生らに対し、学習の目的を「知情合一、学以致用」という2つの四字熟語で表現した上、「中国5千年の文明に誇りを持ち、文化的自信を確立しましょう」と激励した。

また、「中国はアヘン戦争以来のおよそ100年に渡って貧しさと弱さが積み重なり、大きな傷を負い、文化的自身も失った。しかし、中華民族はたいへん誇り高く、中国が世界史上重要な位置を占めた時期も長い。近年、外遊の際に海外の要人と話をする際、中国文化が話題になることが多い」とし、「人生で最も余暇の時間がある学生時代に、たくさん本を読んで中国伝統文化を学びなさい。そこで得た知識は皆さんにとって宝物となり、一生の役に立つはずです」と語ったという。

マカオ大学はマカオの公立総合大学で、地元マカオ人の学生が大半を占めるが、中国本土からの留学生が多いことでも知られる。20日午後、本紙がマカオ大学に通う学生に話を聞いたところ、「学生寮に暮らす学生との交流なら、参加者は中国本土出身の学生だったはず」という。また、主席の来訪前後、キャンパスが封鎖され、一般の学生は学内に立ち入りができず、寄宿生の多くも「大学側が用意したバスツアーで校外学習に出かけた」とのこと。

日本では、インスタントラーメンのコマーシャルでキャッチコピーとして使われた「中国四千年の歴史」という言葉が浸透しているが、中国では1990年代以降、愛国スローガンとして「五千年文明」が公式の場で使用されるようになったという。実際にどこを起点に計算するのか、考古学的には複数の説が存在しており、「南京事件」と同じく、数字についての根拠が議論の対象となる中国の主張のひとつとして挙げられる。

前述の学生に「五千年文明」について聞くと、「マカオ人で中国の歴史に関心を持つ人はそれほど多くないと思う」とした上で、「中華人民共和国は今年(2014年)建国65周年を迎え、それほど長い歴史があるわけではない。歴史ではなく文明という単語を使うことで長さを強調しているのではないか」との見方を語ってくれた。

マカオ大学寄宿生との中国民族文化をテーマにした交流会に出席する中国の習近平国家主席=12月20日(写真:GCS)

マカオ大学寄宿生との中国民族文化をテーマにした交流会に出席する中国の習近平国家主席=12月20日(写真:GCS)

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