マカオで散発性クロイツフェルト・ヤコブ病とみられる症例確認=患者は60歳のマカオ人女性、米国滞在時に症状出現

マカオ政府衛生局(SSM)は12月8日夜、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院からクロイツフェルト・ヤコブ病である可能性が極めて高いとみられる症例を確認したとの報告があったと発表した。

患者は60歳のマカオ人女性で、今年(2017年)10月に米国滞在中に半身麻痺が現れ、その後、筋肉痙攣、四肢の脱力、会話が困難になるなど、症状の悪化が進んだという。米国、中国・中山、香港で医師の診断を受けたものの症状は改善せず、12月7日にマカオへ戻り、仁伯爵綜合醫院へ入院。現在の容体は予断を許さない状況という。患者の家族に類似病歴を持つ者はおらず、輸血や手術を受けたこともないとのこと。衛生局では、患者の接触履歴、家族の病歴及び臨床症状、脳波などの検査結果を踏まえ、散発性クロイツフェルト・ヤコブ病である可能性が極めて高いと診断を下した。

衛生局によれば、散発性クロイツフェルト・ヤコブ病は世界各地でおよそ100万人に1.5人の割合で発症するとのこと。マカオにおける症例確認は2012年以来。現在まで根治療法は見つかっておらず、大部分の患者が発症後1年以内に死亡するという。クロイツフェルト・ヤコブ病の確定診断をするためには脳組織の病理検査が必要となるため、現時点では「可能性が極めて高い」との表現を用いているとした。

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合醫院(資料)—本紙撮影

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合醫院(資料)—本紙撮影

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