マカオ税関が密航事案相次ぎ摘発…中国人男女5人の身柄拘束

マカオ税関(澳門海關)は11月4日、同月3日未明に2つの密航事案を相次ぎ摘発し、いずれも中国本土出身の男4人と女1人の身柄を拘束し、関係機関に送致したと発表した。

最初の事案は3日午前2時頃に発生。税関職員がコタイ地区の機場大馬路と體育館大馬路の交差点付近で不審な2人組の男女を発見。2人は税関の車両を見た途端、すぐに逃走を図ったが、税関職員が追いついたという。現場で身元確認を行ったところ、このうち女が合法的な身分証の類を所持しておらず、男が女の密航を手助けした疑いがあるとし、2人の身柄を拘束し、税関施設に移送した。

2つ目の事案は、最初の事案から約1時間後に発生。情報共有関係にある中国広東省珠海市の沿岸警部当局から、マカオの西灣大橋付近に不審な船を発見し、密航の可能性があると通報があったことを受け、税関が海と陸の両面から捜索を実施。ほどなくして、西灣大橋のタイパ島に近い海面で男1人が載った1艘のモーターボートを、タイパ島北部の陸地で2人の男を発見、捕捉。3人はいずれも合法的な身分証の類を所持していなかったことから、税関施設に移送した。

4人の年齢は23〜45歳。このうち、男2人が密航をほう助する役割の蛇頭で、残る3人の密航者とともに司法機関へ送致。審理の後、蛇頭の2人を拘留、残る3人は治安警察局に身柄を移されたとのこと。

マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。

マカオ税関が身柄の拘束に成功した蛇頭及び密航者の5人=2018年11月3日(写真:澳門海關)

マカオ税関が身柄の拘束に成功した蛇頭及び密航者の5人=2018年11月3日(写真:澳門海關)

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