中国、マカオ行き個人旅行許可発給を一時停止へ

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎(通称:武漢原因不明肺炎)について、世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 本稿執筆時点(マカオ時間1月28日午後6時40分)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認数は7件で、いずれも武漢からの旅客。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染対策センターは1月28日夕方、定例記者会見を開催。張永春行政法務長官が中国中央の関連部門より中国本土からのマカオ行き個人旅行許可の新規発給を一時停止するとの通知を受けたことを明らかにした。中国本土では、すでに海外団体旅行(マカオ含む)の禁止措置が講じられている。

 治安警察局からは、訪マカオ湖北省旅客は今週以降減少傾向にあり、1月22日には2282人だったが、27日はゼロだったことが報告された。また、同局としてマカオに滞在中の武漢市を含む湖北省からの旅客の所在把握に全力を尽くしており、ほぼ手中にあるとした。

 歐陽瑜社会文化長官によれば、28日午後5時現在でマカオに滞在中の武漢市を含む湖北省からの旅客の数は276人で、このうち109人が親族訪問目的の滞在許可で入境したとのこと。すでに基本的な所在情報は掴めているという。なお、旅行や親族訪問などで武漢市を訪れ、現在も滞在していることが判明したマカオ居民の数は25人で、マカオ政府として中国中央とコミュニケーションを図り、速やかにマカオへ戻れるよう働きかけているとした。

 マカオでは27日から武漢市含む湖北省からの入境制限、マカオ滞在中の武漢市含む湖北省からの旅客に対する強制隔離などの措置が講じられている。

マカオと中国本土の間の主要な陸路の玄関口、關閘イミグレーション(写真:マカオ治安警察局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  2.  マカオ政府地球物理気象局(SMG)は5月3日、今年(2024年)4月の天気レビューを発表。 …
  3.  国際展示会大手のリード・エグジビションズ(RX)は5月3日にマカオで会見を開き、今年(2024年…
  4.  マカオ政府財政局(DSF)が5月2日に公表した最新統計によれば、今年(2024年)4月前半の住宅…
  5.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun