中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が11日ぶり2千人以下…海南省で緩和傾向、広東省は20人=8/21

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が8月22日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月21日の中国本土における新規市中感染確認者数は360人(前日から193人減)だったとのこと。内訳は海南省232人、チベット自治区55人、陝西省16人、重慶市11人、広東省9人、福建省8人、四川省4人、新疆ウイグル自治区4人、内モンゴル自治区3人、甘粛省3人、山西省2人、浙江省2人、河南省2人、湖南省2人、遼寧省1人、上海市1人、安徽省1人、江西省1人、湖北省1人、貴州省1人、雲南省1人。このうち海南省の82人、チベット自治区の3人、湖南省の1人、重慶市の1人、四川省の1人、新疆ウイグル自治区の1人の計89人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは310日連続で、18日連続3桁となった。

 市中の無症状感染例は1464人(前日から164人減)。内訳は海南省535人、チベット自治区494人、新疆ウイグル自治区189人、陝西省73人、青海省64人、河南省16人、広東省11人、重慶市11人、湖北省10人、甘粛省8人、江西省7人、新疆生産建設兵団7人、河北省6人、黒竜江省6人、四川省5人、安徽省4人、広西チワン族自治区4人、雲南省4人、遼寧省3人、上海市2人、浙江省2人、内モンゴル自治区1人、貴州省1人。

 無症状を含む新規感染者数は1824人で、12日連続4桁に。2千人以下となるのは11日ぶり。

 8月21日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は8583人(うち輸入性が699人)で、重症者は39人(輸入性ゼロ)。無症状の患者2万1563人(輸入性772人)が医学観察下にあるとのこと。

 新規感染者数の省区市別では、8月1日からリゾート地として知られる三亜市を中心にオミクロンBA.5.1.3の流行が続く海南省が依然最多の767人。大半が三亜市から報告されたケース。近日は減少傾向にあり、状況は緩和したとみられる。

 また、このところチベット自治区でも連日多くの感染者が出現しており、21日の感染例は549人に上り、このうちシガツェ市が約200人を占めた。新疆ウイグル自治区でも3桁の感染例出現が続く状況だが、大半が無症状という特徴がある。同自治区の衛生当局は、情勢は全体として良い方向に向かっており、17の県と市で7日連続、22の県と市で3日連続それぞれ新規感染例ゼロとなり、感染者の出現範囲が狭まっているという。ただし、一部地区では依然として隔離対象ではない一般市中からの感染者出現が続いているとした。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月5日以降は連日複数の感染例が出現。21日の新規感染者数は20人で、広州市、深圳市、仏山市、梅州市から報告されたケース。他にも各地で再流行が散発しており、ウイルス型もさまざま。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では約6千人(輸入性含む)まで増加している。マカオでは6月中旬から市中でオミクロンBA.5.1の流行が続き、累計1800人超に達した。ただし、全市民を対象とした高頻度のPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングと準ロックダウンともいえる厳格な防疫措置を講じて対応した結果、8月1日までにゼロコロナ状態を実現。以降は落ち着いた状態を維持している。

中国広東省広州市内にある高層ビル(資料)—本紙撮影

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