香港の新型コロナ新規感染確認者数が5日連続6千人超…当局「憂慮すべき状況」=8/22

 人口約730万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬から目立ったリバウンドが出現している。

 香港衛生当局が8月22日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から104人増の6380人、輸入性は横ばいの237人だった。

 輸入性の発見に至った検査地点・タイミングは空港が104人、隔離検疫ホテルが23人、隔離検疫期間(3日間)を満了して市中に出た後が110人(うち21人が香港到着から7日目以降)。

 市中と輸入性の合計は前日から104人増の6617人で、5日連続6千人超。市中感染例に限ると4日連続。第5波開始以来の累計感染確認数は約145.2万人。

 新規死亡報告数は5人、年齢は63〜96歳で、2人が新型コロナワクチンの3回目の接種を受けていなかった。第5波開始以来の累計死亡者数は9399人に。当局はワクチン未接種者の死亡率は接種者の60倍にも上るとするデータを挙げ、市民に対して速やかに接種を済ませるよう呼びかけた。

 直近の公立病院の入院患者数(新型コロナ感染者)は2100人で、このうち新規の入院患者が297人とのこと。容体は危篤が48人、深刻が35人など。

 リバウンドの拡大に伴い、このところ入院患者数が増加傾向にある中、21日夜にランタオ島のアジアワールドエキスポ内に設営された臨時病院が再稼働した。目下、ベッド200床、医療スタッフ100人体制となっているが、他の検疫センターや公立病院の患者を移す場合など、状況に応じて500床までキャパシティ増が可能という。

 当局では、市中に限った新規感染者数が4日連続で6千人を上回ったことについて憂慮すべき状況とし、市中にかなりの数の伝播チェーンが存在する状況を表しており、市民に対して防疫規定の遵守を心がけ、マスクの正確な着用、またワクチン未接種者は速やかに接種を受けてほしいと呼びかけた。なお、このところの感染増の要因として、主流株がオミクロンBA.5へ置き換わりつつあることが指摘されている。

 香港では、4月から段階的に水際措置を緩和して以降、輸入性の感染例が連日出現しており、オミクロン変異株派生型の感染者も相次ぎ見つかっている。3月下旬以降に一旦流行状況が安定したことを受けて、4月中旬から5月中旬にかけて学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の緩和(第一段階及び第二段階)が進んだ。

 ただし、5月19日のソーシャルディスタンス措置の第二段階緩和でバーの営業が再開可能となって以降、複数のバーで大規模なクラスターの発生が相次いだほか、隔離検疫ホテルで発生した交差感染をきっかけに市中でのオミクロンBA2.12.1の伝播につながったケースなどもある。こうした状況や6月中旬以降のリバウンドを踏まえ、ソーシャルディスタンス措置の一層の緩和は見合わせが続いており、少なくとも8月24日までは現状維持が決まっている。8月初旬には入境者の隔離検疫期間が3日間まで短縮されており、輸入性感染例の増につながること、隔離検疫期間満了後に発見に至るケースが一定数出現することが予想されていた。

 22日の学校からの陽性報告数は83校から160人。学校のみならず、高齢者介護施設などグループホーム、医療機関からの陽性報告も相次いでおり、小規模なクラスターも散発している。

 8月21日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は93.3%(1回目の接種完了)、90.1%(2回目の接種完了)、70.2%(3回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。21日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は1万4646回で、7日移動平均は1万9949回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3歳以下(7.45%)、3〜11歳(79.3%)、70〜79歳(82.41%)、80歳以上(70.27%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

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