マカオでツツガムシ病感染例みつかる=トレッキング愛好家の老人、無事退院

マカオ政府衛生局は12月18日、マカオで感染症のツツガムシ(恙虫)病の感染例が1件報告されたことを明らかにした。患者はトレッキング愛好家の老人で、11月中旬からマカオの山頂医院に入院していたが、すでに回復して退院したとのこと。

ツツガムシ病は日本で第4類感染症に指定されており、ツツガムシリケッチアと呼ばれる病原体の感染によって引き起こされる、人獣共通感染症のひとつ。野ネズミなどの哺乳類に寄生するダニの一種、ツツガムシのうちの一部が媒介者となる。ツツガムシが生息する野山や河川敷で罹患することが多い。ツツガムシ病の初期症状はインフルエンザににており、食欲減退、頭痛、悪寒、高熱などがみられ、4、5日目には発疹が現れる。放置すると肝臓や腎臓の機能にも影響が及ぶといわれる。

今回、マカオでツツガムシ病に感染した老人は、直近でマカオ以外への渡航歴がなかったというが、11月上旬にマカオでは数少ない自然の残る場所として知られるコロアン島の山へトレッキングに出かけた際、灌木の枝で刺し傷を負ったと話しているとのこと。その後、11月中旬に発熱、咳、脱力、めまい、低血圧などの症状が現れ、山頂病院へ入院して検査をしたところ、ツツガムシ病であると診断された。なお、同居の家族及び友人などには感染していないという。

秋田県の公式ウェブサイトによると、2011年には日本の全国37都府県で459人の患者が報告されたとのこと。東南アジアから中国、朝鮮半島、ロシアの極東地域を含めたアジアの広い地域でも見られるという。

マカオで輸入性ではない感染例が見つかるのは極めて稀なケース。衛生局では、トレッキングの際にむやみに草むらに入らない、肌の露出が少ない服装を心がける、ダニに効く虫除けスプレーなどを使用するなどの防御策を徹底するよう愛好家らに呼びかけた。

マカオでは数少ない豊かな自然の残る場所として知られるコロアン島のトレッキングコース(資料写真)—本紙撮影

マカオでは数少ない豊かな自然の残る場所として知られるコロアン島のトレッキングコース(資料写真)—本紙撮影

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