マカオのホテル客室数、現状2倍の5.4万室へ=大型IRなど建設ラッシュ、それでもラスべガスの3分の1

マカオ政府土地工務運輸局は5月15日、今年第1四半期時点で着工済みのホテルが18軒、計画段階のものが25軒あり、これら43軒の合計客室数が2万5600室に上ることを明らかにした。第1四半期時点で営業中のホテル客室数は2万8400室となっており、建設中または計画中の数を加えると、現在のおよそ2倍の5万4000室となる。

第1四半期時点で着工済みのホテル18軒の合計予定客室数は前年同期比65%増となる9800室。エリア別の分布では、マカオ半島が10軒1000室、大型カジノ・IR(統合型リゾート)施設集積エリアとして知られるコタイ地区が5軒7500室、タイパ島が2軒1000室、コロアン島が1軒200室。これらの客室の合計建設面積は94.1万平米に上る。

建築計画中のホテル25軒の客室数は1万5700室。エリア別の分布では、マカオ半島が18軒3100室、コタイ地区が5軒1万2000室、タイパ島が1軒120室、コロアン島が1軒450室。

着工済のものは2017年頃まで、計画中のものは2020年頃までの完成を目指す案件とみられる。

マカオのホテル宿泊価格は高止まりしており、供給増による価格の平準化や、バジェットホテル(格安宿泊施設)の拡充などを求める声が内外から相次いでいる。

近年、マカオを訪れる旅客数は増加傾向にあり、昨年(2014年)通期では前年比7.5%増となるのべ3150万人に達するなど、ホテル宿泊に対する需要も拡大している。マカオ全体のホテル客室稼働率は昨年第4四半期に87.0%、通年で86.5%と高水準をキープしたが、今年に入って以降、1月79.4%(前年同月比1.5ポイント減)、2月80.2%(同11.3ポイント減)、3月77.3%(同10.9ポイント減)と下落傾向が見受けられる。

なお、カジノ売上では圧倒的な世界一のポジションにあるマカオだが、ホテル客室数ではラスベガスの約15万室を大きく下回るのが現状だ。

【資料】マカオとラスベガスの比較(2014年)
・年間訪問客数=マカオ:3150万人<ラスベガス:4113万人
・カジノ売上=マカオ:5.25兆円>ラスベガス:0.76兆円(クラーク郡:1.14兆円)
・ホテル客室数=マカオ:2万7904室<ラスベガス:15万544室
・平均客室稼働率=マカオ:86.5%<ラスベガス:86.8%
※いずれも2014年データ
※カジノ売上は現地通貨を日本円換算した概数
※出典:マカオ統計調査局、マカオ博彩監察協調局、ラスベガス観光局

マカオの大型カジノIR(統合型リゾート)施設集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

マカオの大型カジノIR(統合型リゾート)施設集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

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