香港で一部銘柄のたばこが突然値上げ…マールボロは10年間で2倍以上に

近年、香港では度重なるたばこ税率の引き上げやメーカーによる希望小売価格の調整を受け、たばこ製品の小売価格の上昇が進んでいる。5月3日から一部銘柄のたばこ製品について、事前予告なく突然2〜3香港ドル(日本円換算:28〜41円)の値上げが実施されたとして話題となっている。

香港の日刊紙アップルデイリーが5月3日付電子版で報じた記事によれば、マールボロやバージアスリムといったフィリップモリス系のブランドに限ったもので、同社広報が同日付で希望小売価格を調整したことを認めたとのこと。(前回価格調整をした)2014年以降のインフレを加味したというのが理由という。なお、あくまでもメーカー側からの希望小売価格の調整であり、実際の小売価格は小売店自身が決定するものと説明している。

香港が英国から中国に返還された1997年以降、香港政府は1998年、2001年、2009年、2011年、2014年にたばこ増税を実施した。

ちなみに、マールボロ1箱の小売価格は10年前の2006年に27香港ドル(約373円)だったが、今回の値上げを受け57香港ドル(約787円)となっており、その差は実に2倍以上だ。たばこ税は1箱あたり38香港ドル(約524円)で、小売価格のおよそ66.7%を占める。

香港政府は内外価格差を利用できないよう、海外(中国本土、マカオ、台湾を含む)からのたばこの免税持ち込み範囲についても制限を強めてており、現在は紙巻きたばこの場合で1箱未満の「19本」と規定されている。違反者には高額な罰金が科せられることから、愛煙家が日本から香港へ渡航する際にも十分な注意が必要となる。

【参考】香港における10年間のマールボロ1箱の小売価格の変遷
・2006年:27香港ドル>29香港ドル(+7.4%)
・2009年:29香港ドル>39香港ドル(+34.5%)
・2011年:39香港ドル>50香港ドル(+28.2%)
・2014年:50香港ドル>55香港ドル(+10.0%)
・2016年5月3日:55香港ドル>57香港ドル(+3.6%)

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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