マカオ政府、年内にタクシー台数15%増加へ=供給増で悪質ドライバー駆逐できるか

近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。

マカオは面積約30平方キロメートル、人口約64万人の小さな街なのだが、年間訪マカオ外客数は約3000万人を上回る。現在、マカオには軌道系交通機関がなく、生活や観光のための移動の担い手となる公共交通機関は路線バスとタクシーが中心となる。

マカオの路線バスネットワークは充実しているものの、混雑が慢性化しており、使い勝手が良いとはいえない。タクシーは初乗り(2km)料金が17パタカ(日本円換算:約230円)と安いこともあって気軽に利用できるが、高い需要に対して供給が追いついていないとされる。

マカオで悪質タクシーが暗躍する背景には、需要と供給のアンバランスだけでなく、違反タクシーに対する罰則が極めて甘い点も指摘されている。マカオ政府交通事務局(DSAT)では、罰則強化を盛り込んだ法改正の準備を進めているが、供給増についても検討を行っているようだ。

DSATが6月8日にマカオ立法議会で示した答弁書によれば、今年(2016年)3月末時点のタクシー供給台数は約1300台となっており、これを年内に1500台(15%増)、来年には1600台まで増やす方針とのこと。

また、同局が調査データ等を勘案した合理的なタクシー供給台数は1500〜1700台の範囲であるとし、今年から来年にかけての供給増によって、市民及び訪マカオ旅客の需要を満たすことができるとの見方を示した。

目下、マカオ初の軌道系交通機関となるマカオLRT(新交通システム)の建設が進められているが、工事が大幅に遅延しており、開業時期の具体的なメドが立っていない。

マカオのタクシー(資料写真)—本紙撮影

マカオのタクシー(資料写真)—本紙撮影

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